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『容疑者Xの献身』舞台版 by キャラメルボックス

先週の木曜日(5/21)に、キャラメルボックスの『容疑者Xの献身』を観てきた。

場所は、池袋のサンシャイン劇場。来月の結婚式に向けて、銀座のブライダルエステ『ワヤンサラ』に通っているうちの母ちゃん(嫁)と有楽町で待ち合わせて、有楽町線東池袋駅で降りる。『ワヤンサラ』、かなりいい感じみたいだ。

さて、『容疑者Xの献身』のキャラメルボックスによる舞台版。

東野圭吾の原作、堤真一さんが数学学者石神を演じる映画版、両方とも、僕も母ちゃんも好きな作品なので、二人とも本当に楽しみにしていたのだけど、正直、がっかりだった。

原作に忠実といいつつ、キャラメルボックスらしさ(主に笑い)を所々散りばめていて、確かに原作に忠実な展開になってはいるのだけど、物語の核となるセリフをギャグにして笑いを取ろうとしていたりして、首をかしげる部分がかなりあった。そういった「キャラメルボックスらしさ(主に笑い)」を散りばめすぎたせいで、原作のもつ雰囲気・佇まいというのが損なわれてしまったように個人的には感じた。実際、原作や映画で感じた、あの切ない感動は伝わってこなかった。

舞台版を観てから3日経つ今日になっても、二人で「ああだこうだ」と感想を言い合っている。その感想を今まとめていて、キャラメルボックスに送ろうと思っている。かなり長文になってしまいそうだけど、原作のファン、キャラメルボックスのファンの意見として、ちゃんと読んでもらえると嬉しい。

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ストレスフリーの仕事術―仕事と人生をコントロールする52の法則 by デビッド アレン

ストレスフリーの仕事術―仕事と人生をコントロールする52の法則
デビッド アレン David Allen 田口 元
二見書房 (2006/05)

GTDを知ったのが、一年半程前。それから、GTDを実際に実践してみたけれど、いつも、どうにも長続きせず。どうやら僕の性格的に、ツールの選定とか使い方とかばかりに意識が集中してしまい、「GTDそのものをいかに効率的にやるか」が目的になってしまっているみたいだ。
それではいかんな、と思っているときに本著を2ヶ月程前に読んだ。GTDそのものが目的化してしまっていた僕にとっては、非常に効く本だった。本著に紹介されている52のエッセイには、「なぜGTDを使うのか?有効なのか?」という問いに対する答えが詰まっている。
【目次】
序章 リラックスしながら仕事と人生をコントロールするには)
第1章 創造力は、すっきりした頭から – 目の前のことを片付ければ、新たな方向性が見えてくる。
第2章 成果を生む集中の仕方 – もっとはっきり見たければ、一段上のレベルから見るしかない。
第3章 成果を生む枠組みを作る – あるレベルで安定すれば、他のレベルでも安定できる。
第4章 リラックスして、さあ始めよう – このゲームのプレイヤーはあなただけ。
第5章 基礎を忘れずに – GTDの5つのステップ
52のエッセイの中で、個人的にグッときたのが、#28『目的とやり方がマッチするときに生産性が最大になる』で紹介されている、「夢想家」「実行家」というくだり。

私の中の「夢想家」は、樫の木の下でコーヒーをすすりながらのんびりするのが大好きで、そうしながら素晴らしいプロジェクトや理想的な戦略を思いつくことがある。一方、私の中の「実行家」は、目の前のやるべきことを整理し、具体的な次に起こすべき行動を実行に移しているときにいちばん集中できているようだ。この二人が顔を合わさない限り、私の生産性に問題はない。(P.122)
ストレスフリーの仕事術―仕事と人生をコントロールする52の法則

誰のなかにも「夢想家」と「実行家」は居ると思うが、その二人が常に顔を合わせているような状態はよろしくない、ということ。これは個人的に激しく納得です。僕の場合、この二人が常に顔を出して、遠くを見たり近くを見たりしていた(笑)。
本著では、自分の中の「夢想家」と「実行家」をいかに管理するかを、以下のようにGTDのフローに突き合わせている。
Collection – 収集
・夢想家のアイデアをIN-BOXにどかどか入れていく。
Processing – 処理
・IN-BOXに入っているアイデアを、実行家がどんどん処理していく。
・このプロセスで出来上がる「プロジェクト」「いつか/もしかしたら」リストは夢想家にとってなくてはならないもの。
Organizing – 整理
・これも実行家がどんどん処理していく。ここでは主にNext Actionの整理。
Reviewing – レビュー
・夢想家と実行家が顔を合わせて、目標ややるべきことを突き合わせる。
Doing – 実行
・実行家が本領発揮!
そして、何をおいても大事な週次レビューで、夢想家と実行家が週に一度顔を合わせて互いの意識を高めていくことが大切。
「夢想家」と「実行家」。
楽しくストレスフリーな人生を送っていくには、どちらも必要な役者。この二人を上記のようにGTD的に演出してあげることで、どちらも最大限の結果を出してくれるはず。
ちなみに本著の監訳者は日本でのGTD第一人者で、百式やidea*ideaを運営している田口さん。この田口さんによる冒頭の日本語版開設と監訳者あとがきの内容が非常に充実している。5年前からGTDを使っている田口さんだからこそ書ける内容になっていて読み応え充分。

「100と-100」
 GTD前とGTD後のストレスレベルは、たとえるならばこんなところではないだろうか。(P.215)
監訳者あとがきより
ストレスフリーの仕事術―仕事と人生をコントロールする52の法則

【GTD関連リンク】
David Allen Getting Things Done: Time and stress management… how to be more productive and get the most out of your time and life
Getting Things Done(GTD)まとめ – ITmedia Biz.ID
Getting Things Done (a.k.a. GTD) part (1) – Edmeisters Homepage
GTD (Getting Things Done)とは – ワークスタイル・メモ:GTD・Lifehacks
【GTD関連本】

Getting Things Done: The Art of Stress-Free Productivity
David Allen
Penguin USA (P) (2003/01)
売り上げランキング: 1,751
仕事を成し遂げる技術―ストレスなく生産性を発揮する方法
デビッド・アレン 森平 慶司
はまの出版 (2001/09)
売り上げランキング: 7,300
Life Hacks PRESS ~デジタル世代の「カイゼン」術~
田口 元 安藤 幸央 平林 純 角 征典 和田 卓人 金子 順 角谷 信太郎
技術評論社 (2006/03/23)

【本著の原本はこちら】

Ready For Anything: 52 Productivity Principles for Work and Life
David Allen
Penguin USA (P) (2004/12)
売り上げランキング: 16,786

仕事で本当に大切にしたいこと―自分を大きく伸ばすために by 大竹美喜

仕事で本当に大切にしたいこと―自分を大きく伸ばすために
大竹 美喜
かんき出版 (2004/06)
売り上げランキング: 28,043

「努力するしかない」
 というシンプルな答えでした。
「努力なら私にもできる」
 そう思ったのです。(P.85)

著者の大竹氏は、アフラックダックのTVCMでもおなじみの生命保険会社「アフラック」の日本創業者。「がん」に対しての保険を日本で初めて事業としてスタートしました。当時の日本での「がん」に対する認識は、口に出すのも忌まわしいとされていて、がん患者が出た家系というだけで娘が嫁に行けなくなるといわれたほどで、がんを患っていても病名を隠すような時代だったらしいです。そんな時代に始めた「がん保険」を世間に定着させ、そのうえ事業として成功させた、というのは並大抵の努力で為しえるものではない、というのは容易に想像できます。
そんな大竹氏が「仕事で本当に大切にしたいこと」として様々な考え方を紹介している本著からは、「しっかりと夢をイメージして、それが実現するまでひたすら努力すること」という氏の思いがひしひしと伝わってきて、読んでいて背筋が伸びます。
なかでも個人的に響いたのが冒頭の言葉です。学歴や職歴で人生が左右されるとは思いたくないし、人生の「運」をつかんでいくのは「どれだけ努力したか」によるべきです。先日「脳」整理法の読書感想文でも書いた「セレンディピティ」という概念でも言われているように、努力(行動)するからこそ、「運」(「脳」整理法でいう偶有性)に出会い、つかむことができる。ということはつまり、どんな人でも、学歴が低くても職歴が自慢できるものでなくても、今からでも行動して努力さえすれば、人生を変えていけるということです。

「運」という感じの成り立ちを調べると、「軍」という字との関連が書かれています。「運とは「軍を進める」という意味で、戦いの中で手にするものなのです。
 戦えば命を落とすかもしれません。そこから「運命」という言葉が生まれました。そして、命を落とさないようにするためには、命がけで戦って、運をつかみ取らなければならない。運とは偶然に手にするものではないのです。
 だから、運をつかむには努力が必要なのです。運は、人の倍、十倍、あるいは百倍もの努力をして勝ち取るものです。(P.84)

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる by 梅田望夫

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる
梅田 望夫
筑摩書房 (2006/02/07)

現在、ウェブ(ネット)の世界がどうなっているのか、そして、これからどこに向かおうとしているのか、グーグルの脅威と可能性についての記述を主として、その他現在重要なキーワードとなっている「ロングテール」「Web2.0」「Wisdom of Crowds」等々について網羅的に議論されている。本著を読めば、この10年で大きく変化し、さらにこれからも変化しようとしているネットの世界について、一通り理解できる。ブログやSNS等についての記述も興味深い。
普段、ネットの世界に浸かっていることが多い僕としては、そのキーワードや起きている事象そのものについて既知のものも多く、世の中ってこんなに変わってんのかぁ、なんてことは改めて思ったりはしなかった。多分乗り遅れてはいないんだと思う。ただ、ひとつひとつの事例をシリコンバレーの歴史等も時々ふまえながら議論されている本著を読むことで、乗り遅れていない人達ともっとちゃんと会話ができるようになるな、という感じはした。
個人的には、

「世界政府っていうものが仮にあるとして、そこで開発しなければならないはずのシステムは全部グーグルで作ろう。それがグーグル開発陣のミッションなんだよね」(P.15)

というグーグルのとてつもないミッションを知っても、「そんなことできるわけない」とは思わず「グーグルならやれそう」って思えた。そう思えたのには色々な背景があるが、特に、本著でも書かれている「Google Earth」というとんでもないソフトを仕事柄使うようになって、そのトンデモナサに脅威すら感じたというのが大きい。地球上全ての衛生写真が自分のPC上で見れてしまう。使ってみるとわかるが操作感も絶妙で、あたかも地球上を飛び回っているかのよう。こんな驚異的なソフトを、さらっと無料で提供してしまう(*1)グーグルなら、何でも出来てしまうのでは、と本気で思える。
多分、今の時代は、ほとんどの人がネットの世界と何かしらつながって生活していると思う。そのネットやウェブは、今やただ便利なツールというだけではなく、個人の生活・考え方からビジネスや世界のありかたにまで、大きな変化をもたらしている。近い将来、その変化は常識になっていくことは間違いなくて、その大きくて急激な波に飲み込まれないように、本著のような良書から正しい情報を得ておいても損はないと思った。
*1 より機能が充実している有料アカウントもある

「脳」整理法 by 茂木健一郎

「脳」整理法
「脳」整理法

posted with amazlet on 06.08.23
茂木 健一郎
筑摩書房 (2005/09/05)
売り上げランキング: 256

偶然にしては出来すぎ、けど、必然とも言えない、そんな出来事が生きていく中では頻繁に起きる。そのなかでも個人的に分かりやすいと思うのが人との出会い。それまでの人生で色々な選択肢(進学・就職、等々)があったなかで、自分がそれを選んできた結果、この人と出会えた、もし違う選択をしていたら出会えなかったかもしれない – 出会いは、多くの選択が生み出した偶然なのかもしれないが、かと言って、必然性は全くないか、というとそうでもない。出会うべくして出会った、とさえ思えることもあります。
こういう半ば偶然、半ば必然なものを「偶有性」と呼ぶということを本著を読んで知りました。そして、この偶有性に満ちた世の中(人生)を生きていくなかで、大切な概念である「セレンディピティ」についても本著で詳しく知ることができます。
セレンディピティは「偶然の幸運に出会う能力」と定義される。つまり、『「A」というものを探し求めている旅の途中で、全く異なる「B」に出会い、その結果幸運をつかんでしまった(P.110)』こと。「偶然を必然にしたい」とは誰でも思うことかもしれませんが、そういう能力であるセレンディピティを高めるためには、「行動」「気づき」「受容」という三つの要素が必要になります。
「行動」は「努力」と言っても大きくズレてはないと思います。つまり「果報は寝て待て」ではなく「人事を尽くして天命を待つ」。何か行動を起こすからこそ(努力するからこそ)、思いがけない出来事に遭遇することが出来るのであって、家の中でじっとしていても、誰かが電話をかけてきて偶然という幸運を運んできてはくれないもの。
そうして行動していくなかで、そこにある「偶然」に気づくことが大切。この「偶然に気づく」ためには、普段から自分の中外に対しての注意深い観察力を持っている必要があります。
そして、「行動」して遭遇した出来事に「気づき」、そしてその意外なもの(求めていたものとは違うもの)を受け入れる(受容)ことができないと、せっかく「偶然の幸運」に出会っても無駄になってしまいます。この「受容」には、ときには勇気が要りますが、柔軟に受容していくことは人間が変わっていく(成長していく)ためには不可欠なことなのかもしれません。
この三つの要素に加えて、「偶然の幸運」を生かす準備、つまりそういう偶然は起きるものだ、という心構えを持っておくことも大切である、ということも本著では言っています。
「偶然の幸運」には普段何気なく生活していても出会うことは出来るかもしれませんが、「偶有性」というのが世の中には存在していて、セレンディピティという能力で偶然を必然に変えていくことも出来なくはない、ただそのセレンディピティを発揮するにはまずは行動しないと始まらない、といったことを意識しているだけで、「偶然の幸運」の取りこぼしが少なくなっていく気がします。
先日紹介した『IDEA HACKS!』のなかでも、セレンディピティが紹介されていて、より詳しく知りたいな、と思っていたときに、それとは知らずに手に取った本著にそのことが書いてあった。これぞまさに、偶有性・セレンディピティ。

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人生カンタンリセット!夢をかなえる「そうじ力」 by 舛田光洋

人生カンタンリセット!夢をかなえる「そうじ力」
舛田 光洋
総合法令出版 (2005/07/23)
売り上げランキング: 1,030

 ここで私はあなたにお伝えしておきたいことがあります。
 それは、「あなたの住む部屋が、あなた自身である」ということです。
 つまり、「あなたの心の状態、そして人生までもを、あなたの部屋があらわしている」ということなのです。(P.15)

そうじしたあとは(ほとんど)誰でも気分がよくなるもの。きれいな部屋にいると表情も明るくなるし、何となく充実感を感じることだってある。そういうそうじの持つ力を、僕も今までの経験から何となく知っています。ただ、あくまでそれは、そうじをした結果としてたまたま感じていただけで、本著で紹介しているような「そうじ力」まで意識はしませんでした。
冒頭で引用させていただいた著者のメッセージには、経験的に非常に納得がいきます。自分の心の状態が部屋に反映される – これを意識することで、いいときと悪いときの自分を客観的に知ることができると思います。なにせ、部屋をみれば一目瞭然なのだから。ということは、自分の心そのものである部屋をそうじすることで、自分の心の状態を常にいい状態にしておくことができる、ということになります。これを「磁場」という考え方で本著では紹介されていますが、これはつまり「類は友を呼ぶ」(P.19)というものです。
※本著では、「磁場」の例として、有名な「ブロークン・ウィンドウ理論」(割れ窓理論)を紹介しています。割れ窓理論に関しては、Wikipediaで詳しくしることができます。
割れ窓理論 – Wikipedia
このような磁場という考え方があり、そうじ力によって「マイナスの磁場」を取り除き「プラスの磁場」を引き寄せることができる、ということが本著では紹介されています。「マイナスを取り除くそうじ力」と「プラスを引き寄せるそうじ力」とはどういうものか、その具体的な内容は本著を読んでいただければ、と思います(僕も実践し始めています)。
どちらも大切ですが、個人的には「マイナスを取り除く」という考え方を特に意識したいと思っています。プラス思考やポジティブな考え方だけでは、自分も世の中も大きく変えることは難しい、というのは、何となくですが感じていて、自分や世の中を変えるには、マイナスを取り除く、という意識・行動が必要になるんじゃないかな、と。むしろ、そっちにより強く意識を向けたほうが良いのでは、と思うくらい。
「前向きになるにはどうすれば・・・」なんて思い悩んだり、「ポジティブになろう!」なんてことばかりが書いてあるそんな本を読んだりする時間があるなら、そうじをしようじゃありませんか – 書を捨てよ、そうじしよう。
いや、言いすぎた。そうじもして、そういう本も読もう。というか、そうじも出来ないで、いくらそんな本を読んでも効果はないんですよ > 自分

IDEA HACKS! 今日スグ役立つ仕事のコツと習慣 by 原尻淳一 小山龍介

IDEA HACKS! 今日スグ役立つ仕事のコツと習慣
原尻 淳一 小山 龍介
東洋経済新報社 (2006/07/14)

アイデアを生み出すための、様々なテクニックや考え方が紹介されています。
【目次】
1. 情報ハック – メモとノート
2. 時間管理ハック – 習慣と隠し味
3. 整理ハック – 物語とデータベース
4. 五感ハック – モードとスタイル
5. 思考ハック – 出会いと別れ
6. 発想ハック – 方法と視点
7. 意思決定ハック – プライオリティとセレンディピティ
88個紹介されているハックの中で、今回は以下のハックに注目。
十五分以上かかる作業は、すべてスケジュールへ組み込む (IDEA HACKS! #15)
ToDoリストは好んで使う方ですが(というかそれがないと仕事にハリがでない)、「○○の資料をまとめる」的な時間がかかるもの、あるいはいくつかのアクションが必要なものってToDoリストに残りっぱなしだったりします。このように時間がかかるものはスケジュールに組み込んでしまえ、というハックです。GTDでも、「二つ以上のアクションが必要な場合、プロジェクトとして管理しろ」ということを言っていますが、それと同じような感じかなと。別のハックで「スケジュールはパソコンで管理する(IDEA HACKS! #12)」というのも紹介されていますが、パソコンで管理することでこういった細かな作業をスケジュールに組み込むことも可能になります。
では、ToDoリストにはどんなものをいれるのか、それはGTDでも言われている「Next Action」をいれていくわけです。つまり「超具体的」にブレークされたアクション。「資料を作成する」ではなく、「パワーポイントを立ち上げる」とか、そういうレベルで。「次に起こす具体的な行動リスト」としてToDoリストを活用すると、それをやっている自分をイメージできて、すぐに取り掛かれますし、いくつかのアクションが必要で時間がかかるものをプロジェクトとしてスケジュールに取り込んでおくことで、先延ばしを避けることができます。
とはいえ、事はそんなにスムーズには進まないのが、また面白いところなので、そういうときのために「柔らかいスケジュール(IDEA HACKS! #14)」として、何もしない時間を用意しておくことが大切です。余分な時間をあらかじめ取っておくことで気持ちに余裕が生まれます。柔らかく設定しておいたスケジュールで時間が余っても、これもあらかじめ作ってある「次に起こす具体的な行動リスト」の中から、すぐに出来そうなものをやっていけばよいので、時間はムダにはなりません。
このような時間管理ハック以外にも、
・ケータイのストラップにペンをつける (IDEA HACKS! #1)
・アイデアは名刺入れに忍ばせる (IDEA HACKS! #2)
・仕事を始めるための儀式を決める (IDEA HACKS! #44)
・アイデアはアナログで考える (IDEA HACKS! #49)
・パワーポイントで「ひとりアイデア・ブレスト (IDEA HACKS! #58)
・マトリックスのかけ算 (IDEA HACKS! #68)
・あなたの仕事は8割が無駄? (IDEA HACKS! #81)
辺りが面白いです。
また、本著の最後のほうで紹介されている、
・セレンディピティ・ポケット (IDEA HACKS! #86)
・人生のプライオリティ メメント・モリ(死を想え) (IDEA HACKS! #87)
あたりは、さらに奥が深いので、別エントリーで書いてみたいと思います。
いずれにしても、たくさん紹介されているこういったハックを有効活用するには、「何のために、それを活用するのか?」という問いに明確に答えれるようにしておくことが重要だと個人的には思います。「面白そうだから」というのも、もちろんアリだとは思いますが。ただ、そのテクニックだけを追求しちゃっているような本末転倒な事態だけは避けたいところです。>自分

鏡の法則 人生のどんな問題も解決する魔法のルール by 野口嘉則

鏡の法則 人生のどんな問題も解決する魔法のルール
野口 嘉則
総合法令出版 (2006/05/10)

「人生で起こるどんな問題も、何か大切なことを気付かせてくれるために起こります。
 そして、あなたに解決できない問題は決して起きません。
 あなたに起きている問題は、あなたに解決する力があり、そしてその解決を通じて大切なことを学べるから起こるのです」(P.90)

「幸せ成功力コーチ」の野口嘉則氏が書いているブログ『幸せ成功力を日増しに高めるEQコーチング!』で紹介され、「読んだ人の9割が涙した」という『鏡の法則』という記事があります。その記事は、こちらから読むことができます。本著はその記事全文に解説を加えたものです。
鏡の法則というのは、「私たちの人生の現実は、私たちの心の中を映し出す鏡である」(P.68)という法則です。言い換えると、「自分の心の波長にピッタリな出来事が起きる」ということ。これは、『鏡の法則』を実際に読むと、どういうことかもう少し分かります。泣けるかどうかは別として、読んだことがないかたは一度読んでみてもよいかと思います。
本著では、『鏡の法則』の解説以外にも、「ゆるすための8つのステップ」というものが紹介されています。ここではそのステップの詳細紹介は省きますが、「ゆるすということ」の大切さを学ぶことができます。
冒頭で紹介した言葉は、ジェームズ・アレンの『「原因」と「結果」の法則』でも書かれている、「人生で起こる『結果』の『原因』は必ず人間の心の奥底にある」という法則に通じるものがあります。自分に起きている問題で解決できない問題はない、と言われると逃げ道がなくなり、その問題に対する責任も重大になりますが、どんな問題も「自分の心が原因している」というのは、恐らく真実だと思います。良くも悪くも今起きていることの原因は全て自分にあることを意識していきたいと思うのです。

朝10時までに仕事は片づける―モーニング・マネジメントのすすめ by 高井伸夫

朝10時までに仕事は片づける―モーニング・マネジメントのすすめ
高井 伸夫
かんき出版 (2002/12)
売り上げランキング: 56,187

 これからの時代は人を頼って生きるのではなく、自分を鍛え、自分なりの目標を持ち、その目標達成のために前向きに生きることです。
 昔、ギリシャの賢人が弟子から、
「人生最高の楽しみとは何か」
 と聞かれて、
「目標を作って、その達成のために生きることだ」
 と答えています。
 二十一世紀が自力更生、自己責任といわれ始めたことは、期せずしてギリシャの賢人が「人生最高の楽しみ」と教えてくれた人生を歩むお膳立てが整ってきたということです。(P.193)

パワーモーニンガーになるための手引書です。
※パワーモーニンガー = パワーモーニングを実践する人。
※パワーモーニング = 仕事の生産性を高め、一日の段取り設計を行うために重要な位置付けをもつ朝の時間帯。
僕も、基本的には5時に起きて、インプット・アウトプットの時間に当てようとしているんだけど、なかなか完全なパワーもーニンガーになりきれないでいます。出来るときはできるけど、出来ないときは本当にできない。そのギャップには我ながらあきれるところで、何とか本物のパワーモーニンガーとなるべく、この本を手に取りました。
「早起きの三つの得」として、「時間が増える」「頭がクリアになる」「健康と長寿が手に入れやすくなる」、と著者が書かれている通り、早起きするといいことが多いです。悪いことはひとつもない、と言っても言いすぎではないでしょう。何より気持ちがいい。そして出勤前の時間に余裕が持てる。また、勉強したりブログ書いたりして、一日の始めからそういう何かをやり遂げると、その一日にハリが出ます。
そういう「得」を経験して分かっていながら、なぜ起きれないことがあるのか。その答えはある程度自分のなかで出てはいたのだけど、本書を読んで改めて思い知りました。それが冒頭で紹介した文につながるわけですが、つまり「何のために早起きするのか?」ということをもっとちゃんと考えるべきなのです。それは「目標を達成するため」「なりたい自分になりたい」ために他ならないわけで、ただ「朝は気持ちいい」とか「電車が空いてる」とか、そういう動機だけだと、元々夜型生活が学生のころから染み付いている身体と脳を作り変えるには足りないんです。もちろん、こういう動機はきっかけとしてはいいとは思いますが、それだけだと長続きしないのでは、と個人的には。
何のために早起きするのか?
この質問に明確に答えることが出来るようになれば、ほとんど努力しなくても、早起きすることなんてそれこそ朝飯前になると思います。
本著では、睡眠についてや、早起きするための具体的な方法等も少しだけ紹介されていますが、どちらかというと、「なぜ早起きするのか?」という仕事人としての心構え的なものが多く紹介されています。個人的には、まさにその部分が知りたかったので、とても参考になりました。仕事に対する熱い考え方がたくさん紹介されているので身が引き締まります。
これからは何のために早起きするのか?を常に意識しながら、早起き生活を続けていきたいと思います。