二見書房 (2006/05)
GTDを知ったのが、一年半程前。それから、GTDを実際に実践してみたけれど、いつも、どうにも長続きせず。どうやら僕の性格的に、ツールの選定とか使い方とかばかりに意識が集中してしまい、「GTDそのものをいかに効率的にやるか」が目的になってしまっているみたいだ。
それではいかんな、と思っているときに本著を2ヶ月程前に読んだ。GTDそのものが目的化してしまっていた僕にとっては、非常に効く本だった。本著に紹介されている52のエッセイには、「なぜGTDを使うのか?有効なのか?」という問いに対する答えが詰まっている。
【目次】
序章 リラックスしながら仕事と人生をコントロールするには)
第1章 創造力は、すっきりした頭から – 目の前のことを片付ければ、新たな方向性が見えてくる。
第2章 成果を生む集中の仕方 – もっとはっきり見たければ、一段上のレベルから見るしかない。
第3章 成果を生む枠組みを作る – あるレベルで安定すれば、他のレベルでも安定できる。
第4章 リラックスして、さあ始めよう – このゲームのプレイヤーはあなただけ。
第5章 基礎を忘れずに – GTDの5つのステップ
52のエッセイの中で、個人的にグッときたのが、#28『目的とやり方がマッチするときに生産性が最大になる』で紹介されている、「夢想家」「実行家」というくだり。
私の中の「夢想家」は、樫の木の下でコーヒーをすすりながらのんびりするのが大好きで、そうしながら素晴らしいプロジェクトや理想的な戦略を思いつくことがある。一方、私の中の「実行家」は、目の前のやるべきことを整理し、具体的な次に起こすべき行動を実行に移しているときにいちばん集中できているようだ。この二人が顔を合わさない限り、私の生産性に問題はない。(P.122)
ストレスフリーの仕事術―仕事と人生をコントロールする52の法則
誰のなかにも「夢想家」と「実行家」は居ると思うが、その二人が常に顔を合わせているような状態はよろしくない、ということ。これは個人的に激しく納得です。僕の場合、この二人が常に顔を出して、遠くを見たり近くを見たりしていた(笑)。
本著では、自分の中の「夢想家」と「実行家」をいかに管理するかを、以下のようにGTDのフローに突き合わせている。
Collection – 収集
・夢想家のアイデアをIN-BOXにどかどか入れていく。
Processing – 処理
・IN-BOXに入っているアイデアを、実行家がどんどん処理していく。
・このプロセスで出来上がる「プロジェクト」「いつか/もしかしたら」リストは夢想家にとってなくてはならないもの。
Organizing – 整理
・これも実行家がどんどん処理していく。ここでは主にNext Actionの整理。
Reviewing – レビュー
・夢想家と実行家が顔を合わせて、目標ややるべきことを突き合わせる。
Doing – 実行
・実行家が本領発揮!
そして、何をおいても大事な週次レビューで、夢想家と実行家が週に一度顔を合わせて互いの意識を高めていくことが大切。
「夢想家」と「実行家」。
楽しくストレスフリーな人生を送っていくには、どちらも必要な役者。この二人を上記のようにGTD的に演出してあげることで、どちらも最大限の結果を出してくれるはず。
ちなみに本著の監訳者は日本でのGTD第一人者で、百式やidea*ideaを運営している田口さん。この田口さんによる冒頭の日本語版開設と監訳者あとがきの内容が非常に充実している。5年前からGTDを使っている田口さんだからこそ書ける内容になっていて読み応え充分。
「100と-100」
GTD前とGTD後のストレスレベルは、たとえるならばこんなところではないだろうか。(P.215)
監訳者あとがきより
ストレスフリーの仕事術―仕事と人生をコントロールする52の法則
【GTD関連リンク】
≫ David Allen Getting Things Done: Time and stress management… how to be more productive and get the most out of your time and life
≫ Getting Things Done(GTD)まとめ – ITmedia Biz.ID
≫ Getting Things Done (a.k.a. GTD) part (1) – Edmeisters Homepage
≫ GTD (Getting Things Done)とは – ワークスタイル・メモ:GTD・Lifehacks
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