かんき出版 (2004/06)
売り上げランキング: 28,043
「努力するしかない」
というシンプルな答えでした。
「努力なら私にもできる」
そう思ったのです。(P.85)
著者の大竹氏は、アフラックダックのTVCMでもおなじみの生命保険会社「アフラック」の日本創業者。「がん」に対しての保険を日本で初めて事業としてスタートしました。当時の日本での「がん」に対する認識は、口に出すのも忌まわしいとされていて、がん患者が出た家系というだけで娘が嫁に行けなくなるといわれたほどで、がんを患っていても病名を隠すような時代だったらしいです。そんな時代に始めた「がん保険」を世間に定着させ、そのうえ事業として成功させた、というのは並大抵の努力で為しえるものではない、というのは容易に想像できます。
そんな大竹氏が「仕事で本当に大切にしたいこと」として様々な考え方を紹介している本著からは、「しっかりと夢をイメージして、それが実現するまでひたすら努力すること」という氏の思いがひしひしと伝わってきて、読んでいて背筋が伸びます。
なかでも個人的に響いたのが冒頭の言葉です。学歴や職歴で人生が左右されるとは思いたくないし、人生の「運」をつかんでいくのは「どれだけ努力したか」によるべきです。先日「脳」整理法の読書感想文でも書いた「セレンディピティ」という概念でも言われているように、努力(行動)するからこそ、「運」(「脳」整理法でいう偶有性)に出会い、つかむことができる。ということはつまり、どんな人でも、学歴が低くても職歴が自慢できるものでなくても、今からでも行動して努力さえすれば、人生を変えていけるということです。
「運」という感じの成り立ちを調べると、「軍」という字との関連が書かれています。「運とは「軍を進める」という意味で、戦いの中で手にするものなのです。
戦えば命を落とすかもしれません。そこから「運命」という言葉が生まれました。そして、命を落とさないようにするためには、命がけで戦って、運をつかみ取らなければならない。運とは偶然に手にするものではないのです。
だから、運をつかむには努力が必要なのです。運は、人の倍、十倍、あるいは百倍もの努力をして勝ち取るものです。(P.84)