基本的に幕末物、特に坂本竜馬と新撰組に関する話は、その形態に関わらず、鑑賞するのが好きだ。
昨日観てきた演劇集団キャラメルボックスの『風を継ぐ者』も幕末を舞台とした新撰組の物語。いつものテンション高いキャラメルボックスらしい舞台で、場面によってはそのテンションについていけない部分もあったが、全体通して楽しめた。泣ける、というほどではなかったけれど、沖田総司の存在が醸し出す何とも言えない切なさのようなものが、すっと心に残っている。
それにしても、沖田総司、そして土方歳三というのは、誰が演じてもある意味同じような雰囲気というか存在感というか、そういうものを醸し出す何かがあるんだなとつくづく感じた。(うまく説明できてないな・・・。)
ただ、この『風を継ぐ者』の主役は、沖田でも土方でもなく、立川迅助という新撰組の伝令役として入隊した男(多分実在してはいないと思うけど)。個人的にはどうもこの立川迅助に感情移入することができなくて、そこが何となく消化不良というか。どんな場面でも走り続け、妹思いである立川迅助の純粋さや正直さを表現しようとしているのは分かっていたつもりなんだけど、何故か感情移入できず、何というか、一歩引いて観てしまっていた。
それでも、今回の『風を継ぐ者』は前回観たキャラメルボックスの舞台『容疑者Xの献身』より面白かった。前回の『容疑者Xの献身』を観て、かなりがっかりして、もうキャラメルボックスの舞台はいいかな、なんて思ったりもしていたので、今回の舞台を楽しめたのは良かったなと思う。
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