Category Archives: Book

人間は影響されて生きている – 『影響力の武器』

影響力の武器[第二版]―なぜ、人は動かされるのか
影響力の武器[第二版]―なぜ、人は動かされるのか

日常のあらゆる場面、特に何かを買うときや決断するといった場面で人がどれだけ影響されているか、ということが嫌になるくらいよく分かる本。嫌になる、というのは、思い当たるふしがありすぎるから。

何かを買ったり、決断したりするときというのは、自分の意志でそれを決断した、と思っているけど、実は「影響力の武器」に思いっきり影響されている。人間は影響されて生きている、しかも結構単純に。そう思えるのは当然本著を読んだからであって、読んでいなければこれからも本著で紹介・考察されているような「影響力の武器」にやられっぱなしになるところだった。

いや、本著を読んだからと言って、「影響力の武器」には今後もしばしばやられることもあるだろうと思う。けど、「影響力の武器」というのが、確実にそして自然に存在していて使われているということが分かっただけでも、本著を通読する価値はあった。次は『実践編』を読まなくては。

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影響力の武器 実践編―「イエス!」を引き出す50の秘訣
影響力の武器 実践編―「イエス!」を引き出す50の秘訣

斬新かつ本質的 – 『小さなチーム、大きな仕事』

小さなチーム、大きな仕事―37シグナルズ成功の法則 (ハヤカワ新書juice)
小さなチーム、大きな仕事―37シグナルズ成功の法則 (ハヤカワ新書juice)

会議もいらないし、オフィスだっていらない、5時に帰宅させる、睡眠もちゃんと取る、小さなチームでシンプルでクールなサービスを作る、と、斬新な内容で、それでいて仕事やビジネスの本質を突いている本著。語り口も軽快で、読んでいて痛快で清々しい気持ちになる。

なんだかんだと難しい言葉も使われていないし、本質的なことをズバズバと書いていて気持ちいい。小さな会社や個人で働いている人以外にも、大いに刺激になる本、だと思う。

本著の原題名は、『Rework』。

Rework

多分、そんなに難しい英語も使われていないだろうし、各セクションが短いので英文の原著もかなり読みやすいのでは、ということで、原著もさっきオーダーした。Audio Bookも出ているみたい。これも原著を読んだら、買ってみようかな。

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TED.comとpaulgraham.comが面白くてたまらない

最近英語の勉強を兼ねて、毎日以下2つのサイトのコンテンツを視聴または通読している。

TED.com

TEDは各界の著名人が集まる会議のサイトで、かなり多種多様なジャンルのスピーチを聴くことができる。しかも大体18分程度でスピーチはまとめられているので、集中力も持つ。その上、英語字幕を表示させることも出来るので、内容もきちんと理解することができる。

まだそんなに多くのスピーチを聴いたわけではないので一概には言い切れないけど、どのスピーチもかなり引き込まれる内容で視聴し始めたら一気に最後まで聴ける、というか聴きたくなる。あまりに面白くて、油断すると際限なく視聴してしまうので「1日3スピーチまで」と自分自身に制限をつけることにした。

Essays – paulgraham.com

Paul Grahamのエッセイ集。分かりやすい英語で程よい長さで書かれているエッセイで、しかも「効く」内容ばかり。一覧をざっと眺めて気になったタイトルのエッセイを読んでいる。こちらも気がつくと次から次と読んでしまっているので、「1日3エッセイまで」と自分自身に制限をつけている。

英語教材ではなく、自分が楽しめる内容の英語を出来るだけ多く聴いたり読んだりする、というのも英語のレベルをあげる方法のひとつかな、と個人的には思っているので、この2つのサイトは僕にとっては最高の英語学習素材。英語のレベルをあげるには、こういう楽しい素材と、避けては通れないけど決して楽しいとは言えないボキャブラリーや文法等の教材、両方をバランスよくやっていくのが大切なんだと思う。

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ハッカーと画家 コンピュータ時代の創造者たち
ハッカーと画家 コンピュータ時代の創造者たち

Hackers and Painters
Hackers and Painters

『さまよう刃』映画版

さまよう刃成田→サンフランシスコ行きの飛行機で、以前読んだ『さまよう刃』(東野圭吾)の映画版を観た。

映画化が決まったときからとても気にはなっていたのだけど、重く深く考えさせられる原作を読んだあとではあまり観る気がしなかった。

この映画版は、原作とは様々な部分でストーリー展開が異なっている。原作では割と重要な部分じゃないのかな、という部分(設定っていったほうがいいのかな)も違っていて、映画版のそれはそれで問題ない、というか話の辻褄は合っているんだけど、原作と映画どちらがいいか、とかそういう議論はできそうにないくらい、違う展開となっている。

ただ、あえて比較するとすれば、やはり原作のほうがテーマが掘り下げられいて、読者への問題提起力が強い、と個人的には感じた。物語の概要は原作も映画も同じようなものなので、それを読んでみて語られる問題についてより深く考えたいと思ったら、まずは原作を読むのがよいかな、と思ったりも。

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かいじゅうたちのいるところ

公開が決まってから待ちに待っていた『かいじゅうたちのいるところ』を公開初日の今日、早速観てきた。

個人的には、何というか、これまで観た映画のなかでもかなり上位に食い込む、素晴らしい映画、だった。映像はもちろん、音楽も、物語の内容も最高。

映画を観終わった後、嫁さんと「あれが良かった、これが良かった」とべた褒め。二人とも、絵本のファン(特に嫁さん)なので、あの絵本の良さを損なわずに、素晴らしい映画になっているところも、嬉しい。

それにしても、本当に良い映画。また観たい。観る度に、違う感動がありそう。それに、観る年齢によっても、色々な見方が出来そうな、懐の深さもある映画、かなと思う。

DVD(or ブルーレイ)が出たら、即購入すること間違いなし。サントラはさっきAmazonで購入した。

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ちなみに、絵本は英語版(オリジナル)と日本語版、両方持ってる。

かいじゅうたちのいるところ Where the Wild Things Are (Caldecott Collection)

サウンドトラック、早く届かないかな。

かいじゅうたちのいるところ-オリジナル・サウンドトラック
» かいじゅうたちのいるところ-オリジナル・サウンドトラック

『名探偵の掟』『さまよう刃』『ララピポ』

最近読んだ本の記録+一言感想など。

名探偵の掟(東野 圭吾)

完全密室、時刻表トリック、バラバラ死体に童謡殺人。フーダニットからハウダニットまで、12の難事件に挑む名探偵・天下一大五郎。すべてのトリックを鮮 やかに解き明かした名探偵が辿り着いた、恐るべき「ミステリ界の謎」とは?本格推理の様々な“お約束”を破った、業界騒然・話題満載の痛快傑作ミステリ。

随分前から気になっていたけど読まずにいたシリーズ其の壱。

前回のインド出張時に出発前の成田空港の売店で山積みされているのを見付けて、何となく購入。山積みされていたのは、最近ドラマ化されたからのようだ。

内容は、まあまあ楽しめたかな、という感じ。ミステリ好きならそれなりに楽しめると思うし、割とさらっと読めるので一読してみてもよいかも。

原作を読んだ後に、ドラマの第1話を観てみたのだけど、個人的にはあまり面白くなかったので、第2話以降は観ていない。

さまよう刃(東野 圭吾)

不良少年たちに蹂躙され死体となった娘の復讐のために、父は仲間の一人を殺害し逃亡する。世間の考えは賛否が大きく分かれ、警察内部でも父親に対する同情論が密かに持ち上げる。はたして犯人を裁く権利は遺族にあるのか?

随分前から気になっていたけど読まずにいたシリーズ其の弐。

映画化されることを知って、映画を観る前に原作を読んでおこうと図書館から借りてきて、一晩で一気読み。

重い、重い内容の本。そして決して良いものとは言えない読後感。「自分ならどうする?」ということを自問せざるを得ない内容で、その暗い読後感と相まって、しばらく打ちひしがれる。

映画版を観るかどうかは、まだ迷っている。安易な気持ちで観れるような話ではないので。

ララピポ(奥田英朗)

みんな、しあわせなのだろうか。「考えるだけ無駄か。どの道人生は続いていくのだ。明日も、あさっても」。対人恐怖症のフリーライター、NOと言えないカ ラオケボックス店員、AV・風俗専門のスカウトマン、デブ専裏DVD女優のテープリライター他、格差社会をも笑い飛ばす六人の、どうにもならない日常を活 写する群像長篇。下流文学の白眉。

奥田英朗の作品は、精神科医伊良部シリーズ(イン・ザ・プール空中ブランコ町長選挙)が大好きで何度も読み返しているのだけど、そのシリーズ以外は読んだことがないので、今回書店をぷらついていてふと目についた本著をゲット。これもまたその日の晩に一気読み。

「下流文学」っていうカテゴリーがあるのかどうか知らないけど、下流=下ネタってことなら、この小説はまさに下流小説。下ネタ満載。もちろんそれだけではなく、普通に楽しめる。精神科医伊良部シリーズが好きなら、このテイストにもついてこれると思う。

ところで、この小説も映画化されていたみたいだ。知らなかった。映画版も気にはなるけど、『イン・ザ・プール』の映画版が個人的には全くハズレだっただけに、映画版にはあまり期待していない。けど、そのうち観てしまうんだと思う。多分。

名探偵の掟 (講談社文庫) さまよう刃 ララピポ

考えるということ – 「思考の整理学」

前から気になっていた本著を今日ふと立ち寄った本屋で目に入ったので買って読み始めた。

まだ半分程度までしか読んでいないが、かなり面白い。詰め込み式教育の人間を「グライダー」、創造的人間を「飛行機」として、詰め込み式教育で育った「優秀な」人間というのは、実は自分で飛ぶことのできない「グライダー」だと説いている。そして自分でエンジンを持ち飛ぶことのできる「飛行機」な人間は創造的で、ときに学校教育等では異な扱いを受けると。

読み進むにつれて、「考えるということ」が一体どういうことなのか、再考させられる。本当に人間として優秀な人間というのは、ただ詰め込まれた知識からただ問題を解くことができる人間ではなく、問題が何なのかを自分で見つけ出し解決することができる、という。前者が「グライダー」、後者が「飛行機」というわけだ。日本の教育を受けてきた人は、どちらかというと「グライダー」的な人が多いのではないだろうか。僕自身もどちらかというと「グライダー」タイプなような気がするので、出来るだけ自分のエンジンで飛べるように日々意識して考えて、行動していきたいものだ。

本著では、上記のような話から、「忘れること」による思考・アイデアの熟成や、「つんどく法」なる読書法も紹介されていて、非常に興味深い。定期的に再読したいと思える、僕にとっては久々の名著だ。

横山光輝『三国志』全60巻を大人買い(したい)

ああ、気になるな、これ。

これ、欲しいなあ、と思っていたら、今日行ったブックオフに全60巻セットが1万円で売っていた。欲しいな。買っちゃうかな。

といっても、今は、吉川三国志を読んでいるところなので、それを読み終わってから再考するか。

三国志 (1) (吉川英治歴史時代文庫 33)
三国志 (1) (吉川英治歴史時代文庫 33)

英語回路を作り込む

今年の英語学習のテーマは「英語回路を作り込む」。これまで、仕事の現場で覚えてきただけのブロークンな英語を改善し、自分のなかにきちんとした英語回路を持たせ、表面的だけではなく、しっかりと底上げされた英語力を持つことを目指す。

参考にしているテキストはこちら。

英語上達完全マップ―初級からTOEIC900点レベルまでの効果的勉強法
英語上達完全マップ―初級からTOEIC900点レベルまでの効果的勉強法

今は、音読パッケージと瞬間英作文を並行してやっている。一日に両方やるとなると、それなりのボリューム・時間を投資することになるが、このくらいのことをやらないと、本当の英語力は身につかないもの。この辺りの基本をしっかりとやりこんで、「英語回路」を自分のなかに作りこめば、それは一生モノだから、投資・努力するだけの価値はある。