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絵本読み聞かせは楽しい

今回のレッスンでは、以下絵本の読み聞かせを行った。こども英語クラスのレッスンで、時々絵本の読み聞かせのみレッスンを行うのだが、これがまた楽しい。4回のレッスン毎、とかもっと計画的に盛り込んでいってもいいのかもしれない。

Happy Dog, Sad Dog
Happy Dog, Sad Dog

「Happy Dog」「Sad Dog」、「Big Dog」「Little Dog」といった反対語を分かりやすくてカラフルな絵とともに繰り返す絵本。読み聞かせたあとに、「What the color of “Happy Dog”?」や「What dogs with Green? 」のようなクイズを行うと盛り上がるし、真剣に内容を聞こうとする。

Hug
Hug

これは大人でも泣ける絵本。内容ももちろん、登場する動物の絵がダイナミックで楽しめる。

ハロウィーンと商業化と異文化理解と

通常のこども英語クラスでは、この時期ハロウィーンパーティー等を実施するものだが、僕の運営しているクラス(というかサークル、かな)では、パーティーはせず、ハロウィーンにちなんだ内容のレッスンを行った。

ハロウィーンのようなイベントは、こども英語クラス・サークルではやらなければいけない、という風潮だし、異文化理解という観点でもやる意味があるとは思うが、日本ではハロウィーンってあくまで商業的なものだよな、というのが僕の考え。実際の日本の家庭で、Jack-o-lanternを作ったり、仮装したり、Trick or treatersが10/31の夜に家々を訪ねたり、というようなことが行われてるわけでもなく、何となく街がハロウィーン風味になってきてるな、ってくらいなもので、文化の理解とはいうけど、なんだかしっくりこない。なので、パーティーのような派手なことはせずに、ひとつのレッスンとして取り扱った*1。まあ、仮装パーティー等はこども達にとってもいい思い出になるので、いいことかなあ、とは思うけれども・・・。来年はそういうのもやってみていいかもしれない。

今回のレッスンの主な内容は、ハロウィーン関連の絵本の読み聞かせ。ハロウィーンって何?何するの?っていうのがざっくりと紹介できるような内容の絵本を選んだ。それと、購読しているアルク『こども英語』のハロウィーン特集号に付録していた、ハロウィーンに登場するキャラクターの絵カードを使って、ちょっとしたゲームを行う。結構楽しいレッスンとなった。

こういったイベントが異文化理解のきっかけとなるのは間違いないので、今後も何らかの形で子ども達に伝えていこうとは思っているが、その反面、○○商戦とつくようなハロウィーンやクリスマスのような日本では商業的なイベントをどういった形で子ども達に伝えていくべきなのか、何だか悩ましいところ、なのである。

今回用意したハロウィーン関連絵本

What Is Halloween? (Lift-The-Flap Story)
What Is Halloween? (Lift-The-Flap Story)

絶版絵本。Amazonでは在庫がなくマーケットプレイスで出品されているが、ほとんど海外からの発送で納期がやたら長い。今回は購入をあきらめていたところ、中野にある洋書絵本専門 スタジオ・ドリームで販売されていたので、即ゲット。ハロウィーンって何?というよりも、ハロウィーンで何をするの?という内容が分かりやすく書かれている。フラップブックなので子どもたちも引き込まれていた。

10 Trick-or-Treaters
10 Trick-or-Treaters

ハロウィーンのキャラクターがまんべんなく登場するうえ、Trick or treatingについても理解できる。絵もかわいい。

In a Dark, Dark House (All Aboard Reading)
In a Dark, Dark House (All Aboard Reading)

ハロウィーンといえば、ホラーストーリーということで。時間がなくてハロウィーンレッスン中は読めなかったのだが、翌週幼稚園クラスに「怖い話だよー」と言って読み聞かせたら、「全然怖くない!」と言われてしまった。いや確かに内容も絵もそんなに怖くはないのだけど・・・。幼稚園年長組にはちょっともの足りないんだな。

*1:クリスマスも十分商業的なイベントだけど、ハロウィーンに比べて何故かより日本の家庭に定着しているので、クリスマスパーティーは行う予定。

無敵精神科医 – 「町長選挙」

町長選挙

精神科医・伊良部一郎、相変わらずの無敵っぷり。素敵過ぎます。

4つのストーリーが掲載されている本著。タイトルにもなっている「町長選挙」以外は、明らかに実際の人物をモデルにした話。リアルに近すぎて、面白い。

伊良部一郎シリーズの特徴として、ストーリーの読後感が何とも爽やか。伊良部一郎が最強すぎるんです。

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本著以外の精神科医・伊良部一郎シリーズは、以下二冊。既読だけど、また読みたくなった。

イン・ザ・プール
イン・ザ・プール

空中ブランコ
空中ブランコ

コンピューティングの基本概念を学ぶ – 「思考する機械コンピュータ」

思考する機械コンピュータ (サイエンス・マスターズ)

コンピュータサイエンス云々やコンピューティング云々の基本概念を網羅されている。全編に渡って、エキサイティングな内容で楽しく脳に汗をかきながら読む。そして、コンピュータに対する考え方が変わる、というか、これまで抑えとくべきとこを抑えてなかったんだなと痛感する。

が、一読しただけじゃきちんと理解できていないので、早速再読中。多分、最低再々読くらいはすることになるだろうな。いや、本著の内容が自分の中に浸透するまでは、何度でも。

本著もまずは図書館から借りて読んだ。が、これは購入すべき。最近では大分少なくなってきた、購入して家に置いときたい本。

疲れた・・・ – 「模倣犯(下)」

模倣犯〈下〉これだけ力の入った長編ミステリーを読了したあとの感想がそれかい?と自分でも思うのだけど、仕方ない。とにかく疲れた。疲れる読書だった。それはただ長いからというだけではなく、どんな登場人物の人間的背景もきちんと書く繊細で誠実な宮部流に立ち向かいつつ、内容そのものと登場人物それぞれの心理を理解して、かつミステリー小説を楽しむ、という、なかなかハードな読書(というよりも『作業』って言ったほうがいいかも)だったからだ。

ただ、それだけ気合入れて読んだのに、正直ミステリー小説としては楽しめなかった。それを言えば、『火車』(参照)『理由』(参照)も楽しめるような内容ではなかったし、色々と考えさせれらる作品ではあったのだけど、読了後に「面白かった」と言えるミステリー小説であった。

本作の場合、楽しめもしなかったし面白いとも言えなかった。疲弊感と頭痛と寝不足が残っているだけだ。読まなきゃ良かった、とは思わないけれど、『火車』(参照)『理由』(参照)のようなものを期待して読む本ではなかった、とは思っている。

なんというか、内容について何かを云々書くような気分にはとてもなれない。というよりも、感想があまりない。ただ疲れた。それだけ。

とは言っても、これはあくまで僕個人の感想なので、もし興味がある人は是非読んでみてください。ただ、ちゃんと覚悟はして読むことをお勧めします。色々な意味で。

早く読了してしまいたい – 「模倣犯(上)」

模倣犯〈上〉

宮部みゆきの代表的な長編ミステリー二冊『火車』(参照)『理由』(参照)を読み、綿密で深い宮部ミステリーの世界観にどっぷりとやられてしまっている。これら二作はものすごく濃くて深いので、読むとどっと疲れが出る。そんな宮部みゆきの長編ミステリー最長作『模倣犯』についに手をつけてしまった。文庫版だと五巻物になっているようだが、やたらと巻数を増やされてしまった文庫版を読むのが個人的には好きではないので、図書館で分厚いオリジナル版を借りてきて読んでいる。

上巻721ページ、下巻701ページ、合わせて1400ページという超長編である本作。一気読みなどとてもじゃないが出来ない。それは文量もさることながら、内容が重く厳しいからというのが大きい。ただでさえ影響を受けやすい性格の僕が、こんな話を一気読みしたら頭がおかしくなってしまうかもしれない。なので、少し読んで、現実に戻って現実を過ごして、また少し読む、という読み方をしている。

この「頭がおかしくなってしまうかもしれない」という感覚は、少し前に成田からイスタンブール経由ヨルダンへの機内で一気読みした町田康の『告白』(676ページ)を読んだときに感じた、あの何とも言えない感覚に似ている。実際に起きた大量殺人事件の犯人の心の闇・真実を町田節で書き綴ったロックな小説『告白』は、心して読まないと読者の心がそちらに持っていかれてしまう。本作『模倣犯』でも(特に第二部からは)、それと同じような危うさが伴う。

そんなわけで、やっと上巻を読み終わり、今日から下巻を読み始める。「面白いし次が気になって、どんどん読みたい」というのもあるにはあるが、それよりも、こんなに重たいミステリー小説はさっさと読み終えてしまいたい、という気持ちが強い。正直、読み始めたときはここまできつい読書になるとは思っていなかった。早く読み終わってしまいたいけど、一気読みすると心が持っていかれる。こんなミステリーを読むのは本当に疲れるが、今さら本を置くことなどできない。

今年に入ってから、ミステリー小説にはまっていたが、本作を読了したらしばらくミステリーの世界からは離れようと思っている。そんな気にさえさせてしまう程、本作は重厚で読者を体力的にも精神的にも疲弊させるのだ。

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ハラペコアオムシ(The Very Hungry Catarpillar)は子どもの心を掴んだ

前回の 子ども英語レッスンで、有名なこの絵本を使った。これまでに導入したいくつかの単語が登場するということもあり、子ども達も楽しんでいる様子だった。

この絵本の見所である「月曜にリンゴを一つ食べて、火曜日に洋ナシを二つ食べて・・・」というところを理解してより楽しめるように、曜日を導入してから、読み聞かせを行う。こういうときの子ども達の吸収の早さには、いつも驚くばかり。

全体的に楽しい雰囲気で、しかも曜日やその他の単語の導入も比較的うまくいったように思う。課題は、絵本を読み聞かせたあと、その内容をもとにどんなゲームやアクティビティを行うと、子ども達がもっと楽しめて物語を理解して、かつ出てきた単語を定着できるようになるか、ということ。今回は、「クイズをやるよ」といって、「月曜日には何を食べた?」とか、「洋ナシは何個食べた?」とか、そういったことを行ったが、途中から「こんなのクイズじゃないよー」と大不評だった。確かに、クイズとは言えない、かなあ。ただの内容確認になってしまったな・・・。考えものだ。

今度、絵本読み聞かせを行うときは、もっと工夫しよう。

は?(楽しめたけど・・・) – 「葉桜の季節に君を想うということ」

葉桜の季節に君を想うということ (本格ミステリ・マスターズ)

「は?」っとなってしまった。正直。

いや、何のことかというと、本著はミステリー小説の類に入るわけなんです。大抵のミステリー小説は、その物語のなかに、一つか二つ、謎解きの山場であったり、「実はこういうことだったのか」というようなどんでん返し的な場面があったりするわけです。

そして、本著にもそんなふうに、「実はそういうことだったのか!?」というどんでん返し的なことが隠されていて、それが判明する場面があるんです。そこで、「どんでん返し」というか、実はそういう設定だった、と読者は気づくのですが、その「実は」を知ったときに、僕は「は?」となってしまったわけです。

なんというか、騙された、というか。いや、騙された、というのはミステリー小説においては褒め言葉になるのだろうけど、本著においてのそれは、悪い意味での騙された、と個人的には感じてしまったということ。え、そうなの?っていうちょっと呆れた突っ込みをしてしまう感じ。

だからといって、本著がつまらなかったわけではなく、ミステリー小説として純粋に楽しめた。それだけに、惜しいというかなんと言うか。その「実は」を最初から物語の設定として読者に周知させたうえで、物語を展開していったほうが、もっと深く読めたような気が個人的にするんです。はい。

これは怖い – 「理由」

理由 (新潮文庫)

先日 のヨルダン出張帰国時の、イスタンブール⇒成田間飛行機で一気読み。

この小説は怖い。読みながらの、そして読んだ後の感想がそれである。これは本当に怖い。その怖さは、読了後数日経った今でも、じくじくと怖い。

「一家四人殺人事件」そのものの残虐性も怖いが、その事件が起こるきっかけとなった出来事や、その事件に関係する人間達の心の闇であったり奥を知るにつれ、どんどん怖くなっていく。なぜなら、それは自分自身にも起こりうるとどうしても考えてしまうからだ。そういうリアリティの伴った怖さというのは、ベタベタと容赦なく心に張り付いてきて、なかなかはがれない。困ったものだ。

少し前に読んだ「火車」といい、本著といい、ミステリー小説を楽しむというレベルを超えた、恐怖とそして現代社会を生きる者にとっての教訓を与えてくれる。

最強の癒しキャラ登場 – 「イン・ザ・プール」

癒された。精神科医・伊良部一郎、最強です。

伊良部総合病院地下にある神経科を訪ねる変な患者よりも、もっと変な伊良部一郎。その伊良部一郎に変な患者が知らぬ間に癒されていく。読者もそんな伊良部一郎に癒される。

伊良部一郎の言動は、変な患者をを治癒するためのものなのか、それとも天然なのか、読んでいて計り知れないところが、面白い。

それぞれの短編が、心地よい読了感を伴いながら、さらっと読めるのが、いい。

映画版「イン・ザ・プール」

イン・ザ・プール [DVD]

松尾スズキが伊良部一郎役かあ。個人的にはちょっとイメージが違うけど、映画版面白そう。観てみよう。