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『クロノス・ジョウンターの伝説』 – 「ミス・ダンデライオン」「南十字星駅で」

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昨年8月に観たキャラメルボックスの2009年夏公演『風を継ぐ者』以来、ちょっと久々にキャラメルボックスの舞台を観てきた。

今回はハーフタイムシアターで、クロノスシリーズの「ミス・ダンデライオン」と「南十字星駅で」の二本立て。ハーフタイムシアターってのをこれまで聞いたことのない人のために書いておくと、普通の演劇の上演時間というのは大体2時間程度だけど、ハーフタイムシアターの上演時間は1時間になっている。1時間でも充分に濃い内容で楽しめるので、同時期の公演で2作品観れてしまうというもの。個人的にはとてもいいシステムだと思っていて、キャラメルボックスでは大体年に一回はこういう公演をやってくれるので、嬉しい。

さて、『クロノス・ジョウンターの伝説』。

個人的には、「ミス・ダンデライオン」はタイムトラベル的なカラクリもよく描かれていて、そして切なく泣ける話なので、かなり好きな作品。「南十字星駅で」は何となく淡々としているというか、タイムトラベル物としてあまりひねりもなくストレートすぎるというか、そういう感じで、あまりぐっとこなかった。

あ、それとハーフタイムシアター2作品の内容とは全く関係ないのだけど、前説で登場した「ペリークリーズ」の何だかよく分からないライブと、2作品間で登場した製作総指揮の加藤さんの中説が、結構いけてた。特に加藤さんの中説は面白かった。「昨年までは、ハーフタイムシアターの2作品を続けて観る人のチケットチェックを行っていたけど、嘘をつく人はいない、ということがわかったので、今回からはチェックしません」というようなことを言っていて、何だか嬉しくなった。こういうところも、キャラメルボックスが好きな理由のひとつ、なんだよなあ。

さて、というわけで、キャラメルボックスの2010年初公演だったハーフタイムシアター『クロノス・ジョウンターの伝説』は終わってしまったけど、今年予定されている作品はどれも面白そうなので、今年はキャラメルボックスの全公演を観る予定。特に、夏の『また逢おうと竜馬は言った』が楽しみすぎる。ダブルキャストってのがまた楽しみを倍増させてくれてるんだな。うん。

『残念なお知らせ』を観てきた

DSC_2243残念なお知らせを観てきた。

ラーメンズが好きなので、片桐さんが出演しているということで。

初の生片桐さんだったけど、特に特別感もなく、すんなりと楽しめた。劇の内容は、とてもわかりやすくて、笑える話。密室物というか、舞台はホテルの一室で、片桐さんがほぼ出ずっぱり。

松尾貴史さんと演出家のG2さんのユニット『AGAPE store』の最終公演で、AGAPE storeのことはこの『最後のお知らせ』まで知らなかった。AGAPE storeの公演記録を見てみると、かなり面白そうな劇ばかりなので、もっと早く知りたかったなとちょっと悔しい。残念。

ちなみにこの公演は、昨年12月頃の仙台滞在中で仙台公演のTV CMをたまたま見て知った。あれがなかったらたぶん今もAGAPE storeの存在も知らず、この公演も観てなかったと思う。もっと積極的にアンテナはっておかないと、面白いものを見逃してしまうなと改めて実感した。

『風を継ぐ者』 by キャラメルボックス

基本的に幕末物、特に坂本竜馬と新撰組に関する話は、その形態に関わらず、鑑賞するのが好きだ。

昨日観てきた演劇集団キャラメルボックスの『風を継ぐ者』も幕末を舞台とした新撰組の物語。いつものテンション高いキャラメルボックスらしい舞台で、場面によってはそのテンションについていけない部分もあったが、全体通して楽しめた。泣ける、というほどではなかったけれど、沖田総司の存在が醸し出す何とも言えない切なさのようなものが、すっと心に残っている。

それにしても、沖田総司、そして土方歳三というのは、誰が演じてもある意味同じような雰囲気というか存在感というか、そういうものを醸し出す何かがあるんだなとつくづく感じた。(うまく説明できてないな・・・。)

ただ、この『風を継ぐ者』の主役は、沖田でも土方でもなく、立川迅助という新撰組の伝令役として入隊した男(多分実在してはいないと思うけど)。個人的にはどうもこの立川迅助に感情移入することができなくて、そこが何となく消化不良というか。どんな場面でも走り続け、妹思いである立川迅助の純粋さや正直さを表現しようとしているのは分かっていたつもりなんだけど、何故か感情移入できず、何というか、一歩引いて観てしまっていた。

それでも、今回の『風を継ぐ者』は前回観たキャラメルボックスの舞台『容疑者Xの献身』より面白かった。前回の『容疑者Xの献身』を観て、かなりがっかりして、もうキャラメルボックスの舞台はいいかな、なんて思ったりもしていたので、今回の舞台を楽しめたのは良かったなと思う。

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『容疑者Xの献身』舞台版 by キャラメルボックス

先週の木曜日(5/21)に、キャラメルボックスの『容疑者Xの献身』を観てきた。

場所は、池袋のサンシャイン劇場。来月の結婚式に向けて、銀座のブライダルエステ『ワヤンサラ』に通っているうちの母ちゃん(嫁)と有楽町で待ち合わせて、有楽町線東池袋駅で降りる。『ワヤンサラ』、かなりいい感じみたいだ。

さて、『容疑者Xの献身』のキャラメルボックスによる舞台版。

東野圭吾の原作、堤真一さんが数学学者石神を演じる映画版、両方とも、僕も母ちゃんも好きな作品なので、二人とも本当に楽しみにしていたのだけど、正直、がっかりだった。

原作に忠実といいつつ、キャラメルボックスらしさ(主に笑い)を所々散りばめていて、確かに原作に忠実な展開になってはいるのだけど、物語の核となるセリフをギャグにして笑いを取ろうとしていたりして、首をかしげる部分がかなりあった。そういった「キャラメルボックスらしさ(主に笑い)」を散りばめすぎたせいで、原作のもつ雰囲気・佇まいというのが損なわれてしまったように個人的には感じた。実際、原作や映画で感じた、あの切ない感動は伝わってこなかった。

舞台版を観てから3日経つ今日になっても、二人で「ああだこうだ」と感想を言い合っている。その感想を今まとめていて、キャラメルボックスに送ろうと思っている。かなり長文になってしまいそうだけど、原作のファン、キャラメルボックスのファンの意見として、ちゃんと読んでもらえると嬉しい。

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君の心臓の鼓動が聞こえる場所

 昨日、観てきた。

君の心臓の鼓動が聞こえる場所 – 演劇集団キャラメルボックス

あっという間の二時間。個人的には号泣するような内容ではなかったけれど、しんみりと心に染み入る、そんな物語だった。カーテンコールは4回も。

 カーテンコールといえば、いつも不思議に思うのだけど、あれってなぜか、「これが最後のカーテンコール」っていう意識が観客の間で共有されてるんだよね。昨日の「カーテンコール4回」というのは比較的多いほうだと思うのだけど、3回目のカーテンコールが終わっても帰ろうとする観客はいなくて、4回目が終わると申し合わせたように、ざわざわと観客みんなが帰り支度をし始めていた。特に仕組みや理屈なんてあるわけでもなく、なんとなーく共有意識が出来上がっているんだろうなあ、きっと。

演劇のカーテンコール以外にも、「申し合わせたわけでもないのに、なんとなーく共有意識が出来上がっている」っていう場面が他にもあるか、ちょっと考えてみたけど、すぐには思い浮かばなかった。なんかあるかな。どうでもいいんだけどさ。

猫と針

 演劇集団キャラメルボックスの『猫と針』を観てきた。

猫と針 – 演劇集団キャラメルボックス

人は、その場にいない人の話をする、ということだ。『猫と針』は、喪服を着た男女が、その場にいない人の話をするという話である。演劇集団キャラメルボックス

 ネタばれになるので多くは、というか内容に触れることは何も書けないが、登場人物は5人、場所はひとつだけ、という設定で繰り広げられる話は、これまで観たキャラメルボックスの舞台とはまた違う面白さだった。

 とにかくテンポがよくて、会話のリズム感がいい。そして全編に渡って漂う雰囲気がいい。すごく曖昧な感想だが、他に何といったらいいのか、いい言葉が出てこない。ゆるすぎず、張り詰めすぎない雰囲気が何ともいえなく、いい。

まつさをな

泣いた。

演劇はこれまでに数えるくらいしか観たことがない。それも、友達や親戚が出演していたり、好意でチケットをもらったりして観たものばかりで、自分でチケット代を払って観たのは今回が初めて。たぶん。

だからというわけではないが、本当に感動した。二時間あっという間だった。全ての登場人物に感情移入してしまい、ずっと涙腺ゆるみっぱなしの二時間。参った。

本当に殺気が伝わってくるような殺陣の緊張感もものすごい。殺陣ということを忘れて、本当の斬り合いの場に居るかのようだった。最後の殺陣は切なすぎて、涙なしには観られない。ここでの感動が尾をひいて、閉幕後もしばらく席を立てなかった。といっても、4回ものカーテンコールがあったので、その間に落ち着きはしたが。

Note

普段演劇を観ない僕が、今回この『まつさをな』を知ったのは、いつも読んでいるビジネス発想源で紹介されていたのがきっかけ。

ビジネス発想源で紹介されていた、キャラメルボックス製作総指揮の加藤昌史氏著の以下の本も、今読んでいるところ。面白すぎ。

拍手という花束のために

演劇集団キャラメルボックスの公演はこれからも観続ける予感。次回の『カレッジ・オブ・ザ・ウィンド』も今から楽しみ。

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WITH YOU

id:Gunzyに招待してもらい、『成功者の告白 5年間の起業ノウハウを3時間で学べる物語』(神田昌典著)が原作のミュージカル『WITH YOU』(脚本:永井寛孝)を観た。> Thanks id:Gunzy!

どちらかというと、ビジネス書的な色合いの濃い原作がどんなミュージカルになるんだろう、と期待して観に行ったのですが、原作のキーメッセージである「ビジネスの成功と家族の幸せ」というテーマをしっかりと軸に置き、香りとスパイスを絶妙に加えた、涙あり笑いありの楽しい舞台でした。公演は今日までですが、リバイバルの可能性、非常に濃いと思います。もし今回行けなかった方は、以下サイトをウォッチしていても損はないかもです。

原作はこちら。実践的なビジネス書としても濃い内容です。

成功者の告白 5年間の起業ノウハウを3時間で学べる物語
成功者の告白 5年間の起業ノウハウを3時間で学べる物語