これは怖い – 「理由」

理由 (新潮文庫)

先日 のヨルダン出張帰国時の、イスタンブール⇒成田間飛行機で一気読み。

この小説は怖い。読みながらの、そして読んだ後の感想がそれである。これは本当に怖い。その怖さは、読了後数日経った今でも、じくじくと怖い。

「一家四人殺人事件」そのものの残虐性も怖いが、その事件が起こるきっかけとなった出来事や、その事件に関係する人間達の心の闇であったり奥を知るにつれ、どんどん怖くなっていく。なぜなら、それは自分自身にも起こりうるとどうしても考えてしまうからだ。そういうリアリティの伴った怖さというのは、ベタベタと容赦なく心に張り付いてきて、なかなかはがれない。困ったものだ。

少し前に読んだ「火車」といい、本著といい、ミステリー小説を楽しむというレベルを超えた、恐怖とそして現代社会を生きる者にとっての教訓を与えてくれる。

1 thought on “これは怖い – 「理由」

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