ユダヤ人ならこう考える! お金と人生に成功する格言 by 烏賀陽 正弘

ユダヤ人ならこう考える! お金と人生に成功する格言
烏賀陽 正弘
PHP研究所 (2005/01/18)
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「世の中に、完全なものは何一つない」
“Nothing is perfect.” (P.4)

ユダヤ人が歴史上、多くの迫害を受けてきた苦悩とその反面の喜び、その両方を含む機知に富んだユダヤの格言が、本著では数多く紹介されています。上記のように英語と日本が併記されているので、英語の勉強にもなるというおまけ付です。


Nothing is perfcet.
「世の中に、完全なものは何一つない」(P.45)
冒頭で紹介した「Nothing is perfect.」という格言も、色々な場面で説得力を持ちそうな言葉ですね。特に何かがうまくいかないときに効きそうです。

 たとえ自分が考えているように、あるいは望んでいるようにことがうまく運ばなくても、それでいいのです。世には何も完全なものはないからです。(P.44)

完璧主義がど~しても抜けきらない僕のような完璧主義と楽観主義の間で彷徨っている様な人間にも効く言葉かなとw
彷徨っているというよりも、ある部分では完璧を目指し、ある部分では楽観的に、といったようにコントロール出来ているような気がしないでもない今日この頃です。
When you start something, finish it!
「いったん手がけたら、最後までやり通せ!」(P.100)
この強い格言には歴史的背景が存在する、と著者の烏賀陽さんはおっしゃいます。

 ユダヤ人にとって、一生のうちで、何か勝ちのあるものを具体的に達成し、社会的に認知されることが極めて重要です。これはユダヤ人の長い伝統と思想の中で、知的に向上することに匹敵するほど、彼らの間で重視され、深く根付いています。
 どの程度の地位や名声を得たかが、その人間の価値判断の基準となります。これは彼らにとって宿命といえるほど、生きていく上で重要なのです。(P.100)

このように「自分が生きた証」を残すこと。それをユダヤ人は強烈に意識するようです。「地位や名声」というと場合によっては薄く聞こえてしまうかもしれませんが、どんな形でも生きた証を残す、というのは、ユダヤ人と同様、意識していきたいですね。決めたことを継続して最後までやり通すことが、「証」を残すことに繋がるというのは、とても説得力のある言葉だと思います。イチローがそうであるように、名を残している人は、例外なく何かに徹底的にこだわってやり続けていますからね。

 一徹さを持って、初志を貫徹します。ともかく、目標を達成するまでは、なりふり構わず働き、どんな困難に直面しても、やり通せ、と諭すわけです。(P.101)

この格言は、↑の”Nothing is perfet”と相反するように聞こえますが、この辺りが格言の面白いところだと思います。格言というのは、人生の答えではなく、そのタイミングによって人にとって大切なアドバイスやヒントを与えてくれるものじゃないかな、と個人的には思います。「背中を押してくれる」言葉、と言ってもいいかもしれません。

 それだけに私たちが仕事が行き詰ったり、あるいは個人的に落ち込んだりした時に、彼らの格言は、ユダヤ人でなくても、私たちを精神的に励まし、鼓舞してくれるのです。(P.16)

仕事柄、ユダヤ人の方と接する機会が比較的多いのですが、彼らのインテリジェンスにはいつも舌を巻いています。向上心も旺盛で、人との接し方もスマート。技術的な話をしていても、頭の良さが伝わってくる。素晴らしいなあ、といつも感じているのですが、本著を読んでその由来が少し分かった気がします。
ビジネスや人生の色々な場面で「背中を押してくれる」アドバイス満載、英語も勉強でき、しかも新書でかさばらない、というお得感満載の本著。しばらく手元に置き、ちょっとした時間に覗いて思案にふけてみようと思います。

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