「できる人」の時間の使い方 by 箱田忠昭

西洋のことわざに、
「Today is the first day of the rest of your life (今日は残された人生の最初の日である)」
というのがあります。(P.45)

お金と違って、時間は取り戻せない – 「時は命なり」。著者の箱田先生はそうおっしゃいます。本著では、そんな何者にも替え難い「時間」をいかに無駄にせず有効に使うか、その考え方・方法を紹介しています。


そのなかで、今回特に個人的に響いたものを紹介したいと思います。
【 アベイラブル・タイム 】

 このようなスケジュールの入っていない、あなたの自由になる時間がアベイラブル・タイム(Available Time)となります。
つまり、「手帳にのっていない時間」こそ、あなたが有効に使える時間なのです。(P.119)

このアベイラブル・タイムに対して、「手帳にのっている」=「スケジュールされた」時間をブックド・タイム(Booked Time)といいます。自分自身の仕事のスケジュール化を含めて、ブックド・タイムは本当の意味で自分が自由に使える時間ではない、と箱田先生はおっしゃいます。

「時間」という天から平等に与えられた資源の中で最も大切ともいえるのが、このアベイラブル・タイム、「活用すべき余った時間」にあります。(P.120)

この「活用すべき余った時間」を有効に使うためには、事前にやることをリストアップしておくことが大切ですね。本著では、「すきま時間」(一日一時間として年間365時間!)を有効活用することも紹介されていますが、やることをリストアップする際には、それをアベイラブル・タイムでやるか、すきま時間でやるか、意識してみると良いかもしれません。
【 エレファント・テクニック 】

 そこで、大きな象(目標)をたいらげる方法を教えます。
 大きな目標である象は、遠くにあれば小さく見えます。それをいっぺんに食べることはできません。
 ですから、それをいっぺんに食べようとせずに、象のステーキを今日は200グラム食べようとします。明日も200グラム食べます。毎日食べ続けます。
 そうすると、一年間で小象一匹を食べることができてしまうのです。
 これを「エレファント・テクニック」といいます。
 これが大きな目標を達成するコツです。つまり、
「大きな目標は分断せよ」
 ということです。(P.150)

大きな目標も分断して日々の行動まで落とすこと。その考え方自体は特に目新しいものではないと思いますが、それに「エレファント・テクニック」っていう名前がつき、このような説明をされると非常に分かりやすいですね。「千里の道も一歩から」等々、色々な言い方がありますが、このエレファント・テクニックというのは、中でもストンと自分の中で理解できます。ただ目標を分断しようとしたときに、その目標が強くイメージできるものでないとなかなか分断もできません。それは、そもそも、大きさを把握していないということですから。まずは具体的に強くイメージできる目標を立てること。そこからなんだな、と再認識。
【 ステップ・イン・テクニック 】

アメリカの心理学者ズーニンは、
「物事は最初の四分間、書道の四分間が決め手である」
といっています。
(中略)
ともかく、最初の四分間はじめてみることが大切なのです。それを「ステップ・イン・テクニック」といいます。(P.160)

これは、三日坊主を打破するために非常に有効なテクニックだと思います。面倒だなあ、と思っても、とにかく四分間やってみること。僕が良く自分に言い聞かすときに使う「Just Do It Now!」ってやつですね。四分間だけで良いので、比較的気楽に動けます。そうやって動いたらしめたもの。よっぽど嫌なことじゃない限り、四分間で終わることってほとんどありません。もし四分間という短い時間さえも面倒だと思うようであれば、それは本当は「したくないこと」の可能性も高いでしょうから、見直してみるべきなんでしょうね。
僕自身、いくつかのことがこのステップ・イン・テクニックで継続できています。まずは、ほんの少しでもいいから動くこと。そうすれば元々やりたいことなんだから自然に集中していきます。このテクニックは三日坊主だけじゃなく、後回しグセなんかにも効くみたいです。「後でいいや」ってものも、とにかくちょっとだけでも手をつけてみる。この「ちょっとだけ」っていうのがキモですね。その一言だけで動き出すハードルが思いっきり低くなります。
お金は取り戻せるが、時間は何をやっても取り戻すことはできない。当たり前のことですが、普段からそれを意識しているのとしていないのとでは、その瞬間の真剣度が違ってくるように思います。「今、ここしかない」と思えば、ダラダラ過ごすことがとてももったいなく思えてきます。二度と戻ってこない時間を今いかに真剣に過ごすか。「時は命なり」です。命をムダにはできませんね。
とはいえ、気を張りすぎるのも時には逆効果かもしれないので、意識して何も考えない時間、というのも必要かもしれないな、と思ったり。

2 thoughts on “「できる人」の時間の使い方 by 箱田忠昭

  1. ぐんじ

    エレファント・テクニック。動物占いが『象』の私としては複雑な思いが..。cow とか pig じゃ、いまいちだよねw
    この細かに分けるのってアリだよね。僕は先日福岡へ行った際、熊谷式手帳で年間計画を立ててきましたが、まさに象を小象に分けて、さらに小小象に分けていく作業です。十数年先までの計画を立て、年間計画→月間計画→週間計画と落とし込んでいくと途方もないような壮大な計画であったとしても、日々やるべきことって、「えっ、これだけで良いの?」と思うことがありました。
    今は、それら「小小象」タスクを管理表にして、日々チェックリストで管理しています。例えば、体脂肪率を10%以下にするという目標に関しては、毎日入浴後に体脂肪を計るとかね。カポエィラで一番上の赤帯取るなら、毎朝15分1つの技を練習するとか。Mr.heydayもやってるけど記録に取るのって面白いよね。成長度合いが分かると嬉しくなる。ちなみに私の体脂肪率は昨日15%でしたが、ここ4日間少しずつ落ちてきています。数字で意識し始めたからでしょうか。
    ステップ・イン・テクニック は、まさにここ数日間がそうでしたが、朝の15分がとれないときは、とにかく3分でも踊るようにしてます。それだけで一日が全然違う。仕事でも、資料を一覧するかしないかだけでも全然違うよね。そもそも記憶しなくても脳にはinputされるわけだから、理解しようと気張らなくても、とにかくちょっとでもやる(意識を向ける)だけで全然違う気がするね。
    命は有限なり、か。 タイムマネージメントはそのままライフマネージメントだね。大事だ。

  2. heyday

    ん~、ぐんさん、熊谷式手帳使いこなしてますね~。
    僕はフランクリンプランナーを使いこなせなくて、今は、ほぼ日手帳をベースにして、他にA5ノートとかを組み合わたりして、日々を記録してるって感じです。
    まだまだ模索中ですけどね、自分に合ったやり方を。
    目標も手帳に書いてますが、週間計画とかまでは落としこめてないんですよね・・・。
    ちょっとトライしてみよう。
    >命は有限なり、か。 タイムマネージメントはそのままライフマネージメントだね。大事だ。
    ライフマネージメント。いい言葉だ。いただき。
    タイムマネージメントよりも重みというか、本気度が段違いだ。しっかりとライフマネージメントしていこう。

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