東邦出版 (2004/12)
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77のイチロー語録からそのプロ意識・発想を分析して、仕事や自己啓発、生き方等の学びを紹介している本著。イチローのイチローたる所以が非常に良く分かります。全ての言葉が役に立ちますが、その中でも今回特に響いたのが以下の三つです。
量をこなせばだれもが天才に近づける
「僕を天才と言う人がいますが、僕自身はそうは思いません。
毎日血のにじむような練習を繰り返してきたから、
いまの僕があると思っています。
僕は天才ではありません。」
(解説より抜粋)
やるべきことに徹底的に打ち込んでみよう。たとえそれがうまくいかなくてもあらたな改善を加えて繰り返そう。その繰り返しがあなたに偉大な仕事をさせてくれる。
(P.87)
成功するには、やるべきことをコツコツと継続すること。遠回りのようでも、それが一番の近道だ - 「継続は力なり」。イチローはそう言います。これはイチローだけではなく、成功している人や天才と呼ばれている人が口を揃えて言っていることですね。今、ここで、僕達がしていること。それが将来の自分を形作っています。深いこだわり・高い意識を持って、今やるべきことを精一杯継続してやることで自分の「根」がどんどん深くなります。それを実践してきたイチローの「根」はどこまでも深いと思いますが、僕達でも「根」を深くすることができます。この言葉にはそんな風に勇気づけられます。
何事も楽観主義で臨もう
「空振りとか三振だとかに一喜一憂はしないということが大事です。
そこで、打てない、もう駄目だと思ってしまったら、
次の打席には立てないですよ。
たとえ、3打席、4打席駄目であろうと、
『次』につなげる打席にしなければ、打ち取られてしまうでしょう。
三振しても、打ち取られても、
そのピッチャーを打つための『なにか』を得られればいいわけで、
僕は打席ごとに勝った負けたと騒がないように心がけています。」
(解説より抜粋)
楽観主義者は「・・・できる」という言葉で締めくくる。一方悲観主義者は「・・・できない」という言葉を頻繁に口にする。思考が行動をコントロールするのだから、「・・・できる」という言葉で締めくくることを口癖にしてしまおう。それだけであなたは簡単に楽観主義者の仲間入りができる。
(P.87)
失敗に一喜一憂しないこと。失敗が続いたとしても、そこから何かしら学ぶことがあるものです。「そのやり方がダメだったってことが分かった」だけでも何かを得たことになる、発明王エジソンもそんなようなことを言っていたと思います。どんなことからも学んでやろうという意識があれば、失敗なんてのは存在しないんですね。全ては捉え方次第。うまくいかなかったときに落ち込まないで、「ああ、このやり方・選択は外れってことか。よっしゃ分かった。けど何で外れだったんだろう??」「どうしてうまくいかなかったんだろう??」と楽観的に前向きな反省をすることから、「学び」を得ることができるようになると思います。そうして得た「学び」は次に必ず繋がっていきます。
客観的になればどんな状況でも平常心を保てる
「94年から96年までの自分が見えていない経験からは、
『客観的に自分を見なければいけない』という結論に達したんですね。
自分はいま、ここにいる。でも、自分のナナメ上にもう一人自分がいて、
その目で自分がしっかりと地に足が着いているかどうか、
ちゃんと見ていなければいけない。そう思ったんです。」
(解説より抜粋)
すきま時間を活用して、積極的に自分を客観的に観察するイメージトレーニングを趣味にしてしまおう。それが潜在能力を発揮する大きな武器になる。
(P.157)
今、自分のしていることや考えていることを客観的に観察すること。これは「継続すること」と同様大切なことだと個人的に思います。「方向は正しいか」「人と比較していないか」「楽しんでるか」・・・。こういった質問を自分に投げかけることで、好不調の「波」が小さくなっていくのでは、と思います。ただ闇雲に行動していると、ふとしたきっかけでそれが途切れたときに、ズドンと落ちてしまい、なかなか這い上がってこれません。僕自身、そういったことを経験したりしました。また、自分を観察することはモチベーションの維持にもつながると思います。一過性のやる気ではなく、客観的に自分を観察しながら平常心を保ち「地に足のついた」やる気を継続していく。ここが継続できる人とできない人の一つの分かれ目な気もします。
今回は上記三つの言葉が特に響きましたが、違うタイミングで読んだらまた違う言葉が響きそうです。どの言葉も「イチローイズム」なので参考になるのですが、全部を一気には消化するよりも、今の自分にとって響く言葉を捉えてそれについて思いっきり考えるほうが有効だと個人的には思います。それを何度も繰り返せば良いのです。それこそ楽観的に。
>客観的になればどんな状況でも平常心を保てる
この一文を拝読して「イチロー選手は究極の集中力の持ち主なのだな」と感じました。
「集中力」とはわき目も振らずに物事に没頭するような状態ではなく、常に全体を眺めながら必要なところに思いが行き渡っている状態、ものすごくニュートラルな状態。
この「平常心」はいつでも自分の内と外をオープンにしておける状態なのでしょう。
この境地にたどり着けるところがやはり「天才」であるのだと思います。
sayu@fujiさん、コメントありがとうございます。
> 常に全体を眺めながら必要なところに思いが行き渡っている状態、ものすごくニュートラルな状態。
「視野が広く保てている」状態ですね。冷静に状況を判断しながら集中できるような状態=ニュートラルな状態って感じでしょうか – この境地に立つには、常日頃の「客観的な自意識」が大切だと感じました。
そこにたどり着くには、もっともっと修行が必要だなあ、僕は。
自分のこんなところが足りないからこうする、、
とか、自分のここが悪いからよくしようとか、、
人間、すべてに対症療法に陥りがちでありますが、
このイチロー選手のいう「平常心」がたもてるように
していくことが、すべて包括してしまうこと
個人という個性をそのままに他をも活かし
向上できるキーのような気がします。
このご本も読んでみます。いつもよいご本をありがとうございます。
ありがとうございます。
こちらこそ、いつもコメントをいただいて勉強させていただいてます。
これからも、見守っていただくと嬉しいです^^
Ichiro’s Method〜イチロー思考〜
きょうは、児玉光雄著『イチロー思考』を紹介する。
『イチロー思考』は、イチローの77の言葉をもとに、全8章から構成されている。
イチローの思考から、多…