満足できない、ただ難解なだけの内容空疎な文章なのか、わからないながらも内容が高度に詰まっている、「満足できるわからなさ」という種類の文章なのか。これを見極めることが読書力向上にとっての鍵になる。(P.106)
読書力
読書力向上のためには、「わからなさを溜めておく」ことが大切。
著者の斎藤さんは、子供の読書と音の読者の違いを以下のように述べています。
子供の読書とは、一度読んで分かってしまうものだ。わからなさに耐える必要のない読書では、読書力は向上していかない。運動のトレーニングでいえば、すでにできる力量の六、七割をいくらやっていても筋力はつかないのと同じだ。わからなさが、筋力トレーニングでいえば、負荷である。「わからないところがあるからつまらない」と言って放り投げるのではなく、わからなさをいわば溜めておく構えが重要なのである。(P.106)
本を読んでいて、わからないと思う部分は往々にしてあると思います。そういった部分を分からないといって諦めるのでなく、むしろ溜めること。そうして、本を読み進めていく、あるいは自分の中で吟味と咀嚼を繰り返すことによって、著者の言いたいことをより深く理解することができるかと思います。
わからない部分を一度で理解しようとするのは、時には苦痛も伴い、それによって読書自体が嫌になってしまうケースもあるかもしれません。わからない部分は読み進めていくことでわかってくる。それでもわからなかったとしても、あとでもう一度繰り返し読むことでわかってくるものです。このように、ある意味楽観的に本を読んでいく、繰り返し繰り返し読むということが、効率的でしかも中身のある読書をするコツだと思います。
本著では上記のように、読書力とは何か、そしてそれをいかに高めるか、それによって自分がどのように変わるか、といったようなことを本と読書への愛情を込めながら紹介しています。
本は著者との対話、そして自分と向き合うこと、といった読書をする上での心の持ち様から、読書と身体的行為だ、といった技術的な部分、読書はコミュニケーション能力を向上する、といった読書の応用の部分まで書かれていて、参考になります。
僕の読書スタイルのペースは、今のところフォトリーディングですが、それだけにとらわれずにいろいろな方の読書法を参考にして、自分なりの読書法というものを確立していければと思っています。そのためにはまず、今のベースとなっているフォトリーディングを継続して自分のものにしていきたいと思います。
私も個人的に斎藤孝先生の本は好きですが、この人の「恋愛力」はかなり自虐的で面白い。ただ、登場するTVドラマや小説見たり読んだりしていないと面白さが半減してしまうのだが。本屋で見つけたら立ち読みしてみて。
ぐんさん、
> 私も個人的に斎藤孝先生の本は好きですが、この人の「恋愛力」はかなり自虐的で面白い。
恋愛力、早速、Amazonのカートに入れましたよ(^^)
レビューみても、面白そうですね~。