松下幸之助翁82の教え―私たち塾生に語った熱き想い by 小田全宏

松下幸之助翁82の教え―私たち塾生に語った熱き想い
小田 全宏
小学館 (2001/10)
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「おまへんな、まだ道を求めているほうやから。これで一人前になったなというような、そんな安易な気分になれまへんね、まだ。それが正直なところですわ」(P.253)

松下幸之助氏がNHKの番組出演した際に、アナウンサーに「松下さんが、これで男になったな、これで一人前になったなと思われたのはいつごろですか?」と問われたときに笑いながら答えたという言葉です。氏はこのとき八十一歳でした。
八十歳を超えても、一求道者として人生探求中。
三十歳の僕にとって、身が引き締まる、そして勇気を与えてくれる言葉です。


松下幸之助氏は、さらにこんなことも言っています。

「僕は今年で九十歳になった。今まで僕は百二十五歳まで生きたいと思っていたけれど考えが変わった。やっぱり僕な、百八十歳まで生きる。僕の人生はマラソンでいうたら、ちょうど折り返し地点や。今までの人生は準備期間や。これからが本番や。君らもな、僕よりはよう死んだらあかんで」
 こう言ってなんともいえない人懐っこい笑顔を向けられた。(P.254)

瞬間瞬間に起こることをかけがえのないものとして受け止め、その人生の一瞬を全力で生きること。走り続けること。人生にゴールなんて存在しないんだな、と改めて思いました。最後の瞬間まで全力で走りぬく。幸せっていうのはそういうものなのかもしれないって思ったりしました。
まだまだ道の途中。
だからこそ幸せだと言える。
幸せは、追い求めるものではなく、今ここにある瞬間を全力で生きること。
そう思います。

自分には
自分に与えられた道がある
広い時もある
せまい時もある
のぼりもあれば、くだりもある
思案にあまる時もあろう
しかし、心を定め
希望をもって歩むならば
必ず道はひらけてくる
深い喜びも
そこから生まれてくる(P.252)

松下幸之助氏の「道」という文章です。
本著で紹介されている82の教えのなかで、この「道」のくだりが今回一番響きました。
自分の道を、希望を持って、精一杯ひたすら歩き続けること。
楽しみながら。
深い喜びを感じながら。
そうすれば、「道はひらく」のです。必ず。
» 道をひらく by 松下幸之助

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