「他行のATM(現金自動受払機)経由の取引は盲点だった。想像力が及ばず、リハーサル項目からも抜け落ちていた」。三菱東京UFJ銀の幹部は統合作業の不備を認めた。
障害の原因は、通帳未記帳の件数が10件以上ある顧客に、記帳を促すメッセージを送る際の文字コードが、セブン銀は「カタカナ」なのに、三菱東京UFJ銀の新システムは「漢字」だったという「初歩的なプログラムミス」(業界関係者)。文字コードが漢字だった金融機関での障害発生はなかった。
三菱東京UFJ銀は06年1月の合併以来、2年の準備期間と総額4000億円をかけて「準備には万全を尽くした」(永易克典頭取)はずだった。今年2月からは全支店でATMを休止し、新システムにつなぐリハーサルを3回繰り返した。セブン銀のATMもリハーサル対象ではあったが、障害を起こした取引はテストしていなかった。
本当に初歩的なミスだったんですね・・・。4000億円という投資の相当な部分をテストに費やしてきたらしい(参照)のにも関わらず、なぜそこをテストしなかったのか・・・。
これだけ巨大なシステムの統合となると障害が出ても不思議ではないとは思ったりもするけど、それでも障害があってはいけないというのが、銀行や金融関連システムの障害。しかし、やっぱり障害は起きる。みずほ銀行の統合のときもそうであったように。そして、障害が起きるとマスコミ・社会に袋叩きにされる。
今回の統合には、その投資額だけをみても分かるように、銀行とシステム屋の、まさに威信とプライドをかけていたはずだ。それが、こういうちょっとした初歩的なミスで敗北してしまう。そう、これはもう敗北。マスコミはしばらくこの障害を叩き続けるだろう。「統合は失敗だった」なんて極論するところも出てくるかもしれない。
もちろん、運悪く障害に出くわした一般の方にとっては、いい迷惑な話ではある。金も威信もプライドもかけてくれて構わないが、迷惑だけはかけないでくれ、と思うのが普通の感覚であると思う。
んん、何だか何が言いたいのか、よく分からなくなってきたが、要は悔しいんだな。全くもってプロジェクトに関わっていない、いちエンジニアの僕だけど、それでもエンジニアとして今回の障害は、悔しい。システムが動かなくなるときっていうのは、大抵こういうケアレスミスなんだな、ということを今回の件で、改めて思い知った。この教訓は忘れないようにしたい。