レッスン中にすねる先生

 子ども英語クラスを運営していくにあたって、いま一番の課題は、子どもたちのレッスン中の態度だと思っている(参照)。先生の言っている英語が分からないというようなこと以前の問題として、レッスン中の態度がよくない子がいる。注意しても分からない子がいる。これは子ども達が悪いわけではなく、僕の先生としての能力が低いから、ということが一番の原因であることは分かっていて、いかにレッスンに集中させるか、ということで頭がいっぱいな今日この頃である。

 そんな課題を抱えながら、今年4回目のレッスンを行ってきた。今回のレッスンでは初めて絵本の読み聞かせを行った(参照)。色とりどりの動物が次々と出てくるこの絵本(Brown Bear, Brown Bear, What Do You See?)は子どもたちの食いつきもよく、今回のレッスンの目的としていた絵本に登場するAnimals/Colorsの単語の定着は思ったよりうまくいったように思う。

 ただ、今回のレッスンで一番心がけていたことは、いま一番の課題と考えているレッスン中の態度の徹底だった。日本語でもいいから、態度のよくない子はきちんと叱る、言うことを聞かせる、好き勝手させない、ということを強く心がけていたのだが、結果として今回もまた、前回よりは良かったとしても、まだまだまとまりのないレッスンとなってしまった。

 反省点・改善点、あるいは学びとなった点は、毎回のレッスンが終わると山のように出てくるのだけど、今回のレッスンの中で興味深い場面があった。

 それは絵本を読み始めようとしたときのこと。僕が絵本を読み始めようとしているのにもかかわらず、勝手な話をして聞こうとしない子達がいた。何度注意してもやめない、何も言わずに憮然とした表情で待っていてもやめない、「じゃあ、君達は話をしていなさい」といって、その子達以外の子にだけ読み聞かせようとすると「いいよ別に、話してるもん。」なんてことを言う。いい加減困ってしまったのだが、思い切って、「絵本嫌いなんだね。分かった。じゃあ今日は絵本はなし。」と言って絵本をしまってしまった。さらに、「それに今日は絵本をやろうと思っていたから、他になにもやることないよ。」と言ったら、さすがに戸惑った様子になる。そこでもう一度全員に向かって、「絵本聞きたい~!?」と聞くと、全員ではないけど数名の子が「聞きたい!」という返事があった。「OK!じゃあやろう!」と言って、もう一度はじめると、さっきまで勝手な話をしていた子達も「聞くー!」と言って、しっかりと聞くようになった。その後、絵本の読み聞かせ、その絵本に登場する動物カードを使ってのアクティビティと、割とスムーズに展開できた。

 レッスン中に先生がすねてみる、というのが良いことなのか悪いことなのかは何とも言えないところがあるが、今日はそれでレッスンが壊れるのを防ぐことが出来た。きちんと行儀良くしている子達に対しては申し訳ないとも思うが、きちんとしないとレッスンが進まない、行儀良くしているからこそ楽しいことができる、ということを少しでも感じてくれたのでは思う。

 まだまだ、子ども英語先生としても、子ども教育の場に立つ人間としても、経験はもちろん、知識も足りない僕のような者に英語を教えられている子ども達は果たしてハッピーなのか、たまに考えてしまうこともあるが、色々と難しい場面はありつつも、そのレッスンのなかで一言でも笑顔で英語を発音してくれるのを見ると、そんな考えも吹きとんでしまう。いま、僕がやっていることは、子ども達にとって少なくとも無意味なことではないのだな、と。

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