犬達は、我々人間を癒してくれる。一緒に暮らしていると、癒されっぱなしだ。だけど、人間が癒されたいように、犬だって癒されたいのだ。一緒に暮らしている僕達の存在は、うちの子の心を癒しているんだろうか。そうだとしたら、これほど嬉しいことはない。
お互いに、癒し、癒される存在。そういう生活の中から、多くの奇跡が生まれる。本書には、そんな奇跡が数多く紹介されている。それらの奇跡のなかには、ある人間が起こした悲劇を奇跡に変えたものもある。人間が起こす悲劇は、読むに堪えない。同じ種として、犬達に申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
人間が起こした悲劇の犠牲になる全ての犬を、救うことは出来ない。こんなことを言ってしまう僕を含めて、人間とは何て勝手な生き物なんだろうと思う。それを受け止めつつ、僕達は今この手で出来ることをするしかないし、それから何かが変わることもあるはず。
そんなことを、考えた。