何かを始めようというときに参考にする情報として、大きく以下の二つが考えられると思います。
- プライベート情報: 身近でそれを実際に経験してきた人の経験に基づく情報
- パブリック情報: インターネットや書籍等の情報
これらソースからの情報量は、多くの場合、
- プライベート情報: 少ない
- パブリック情報: 多い
である、と言えるのではないでしょうか。
さらに、これらソースからの情報信頼度は、多くの場合、
- プライベート情報: 信頼度高
- パブリック情報:信頼度色々(ソースによる)
である、と言えるのでは、と思っています。
ただ、信頼度に関しては、最近ではブログ等でそのことに非常に詳しい個人や専門家の方の信頼できる情報を閲覧することができるので、どちらも「信頼度高」と言っても言いすぎではないのかもしれません。
また、これらソースからの情報は、基本的には「And」であることが多いのでは、と個人的に。経験者から聞く情報で足りない部分をインターネットや書籍から、あるいはその逆、というふうに。
で、今回考えたいのが、これらの情報が「And」ではなく「Or」だった場合に、どちらを信頼するか、ということです。特に、こんなケースでは頭を悩まします。
- プライベート情報(身近な経験者)から「Aというやり方が正しい」と聞いていた。
- パブリック情報(書籍・インターネット)では「Bというやり方が正しい」と書いてあり、さらに「Aというやり方はだめ」と書いてあった。
こういう場合、1.プライベート情報のソース元である経験者の人に「インターネットとか書籍で調べたら、そのやり方はダメで、こういうやり方が正しい、って書いてあった」といったことを話すと、往々にして、「そんなやり方じゃダメだよ。このやり方じゃなきゃ。」と返される。つまり両方の情報ソースが片方の情報を否定しながら、全く違う情報を伝えている、という、情報を参照したい側としては、何とも難しい状況に陥るわけです。
個人的には、身近な経験者からの情報が(パブリックな情報よりも情報の絶対量が少ないとしても)一番信頼できる、あるいは信頼したい、と思っています。とはいえ、最近のパブリック情報、特にインターネット上の情報をかき集めた結果、やっぱり経験者の情報は間違いなんじゃないか、という状況になったときに、一体どっちを信頼すべきなのか、本当に迷います。身近な経験者の方は全く悪気がなくアドバイスしてくれているわけで、その人の意見を聞かず、むしろ逆のこと、その人がダメだと思っている情報を採用することって、感情論的にもなかなか出来なかったりするわけです。
で、このまま結論のないまま今回のコラムを書き終えようとしてるときに、ふとある考えを思いつきました。その考えはこういった場合の判断材料としてかなり有効なのでは、と思います。
それは、身近な経験者がパブリック情報を否定して自分の経験からくる情報が正しいと主張しているときに、その人が実際にそのパブリック情報を実践した上で否定しているかどうか、というところに着目すべき、という考えです。今回のこのコラムは、最近僕自身が直面している状況がベースとなっていますが、その状況のなかで得たパブリック情報の多くは、身近な経験者が言っているAという情報を実践した結果どうなるかといったことや統計等を踏まえながら、Bという情報が正しいと主張しています。逆に、身近な経験者がパブリック情報の言っているBという情報を実践した上で否定しているかどうかというと、そうではない場合も少なくはないように思います。
パブリック情報は、実践した結果としての情報も多いので、そういう意味でもやはり信頼できるものだとは思います。だからといって身近な経験者のプライベート情報のほうが多くのパブリック情報よりも信頼できない、というわけでもなく、むしろプライベート情報の方が信頼できるし信頼したいと個人的には思います。身近な経験者が言っているAという情報は、当然実践してきた経験からの情報なので、信頼できるものではあるのです。ただ、その情報がパブリック情報と正反対で、なおかつそのパブリック情報を否定しているとき、それも実践した上で否定しているのかどうか、そこを見極めるべきなんだな、と考えた次第です。もしAもBも実践した上で、片やAが正しい、片やBが正しいと主張している場合、これはもうあとは自分で実践してみるしかないわけです。
と、ここまであーだこーだと書いてきましたが、何だかんだ言って一番確実なのは自分でとにかくやってみることなんだな、ということに今更気付いたところで筆を置きます。