にほんごであそぼ

朝8時からNHK教育テレビで放映しているにほんごであそぼが、言語教育という観点から素晴らしいと思った、という話。

4歳から小学校低学年くらいの子どもを対象に制作しています。番組を通して、日本語の豊かな表現に楽しく遊びながら慣れ親しみ、『日本語感覚』を自然に感じ、身につけてもらうことをねらいとしています。それが、コミュニケーション能力や自己表現力のベースとなると考えているからです。狂言の「型」など日本の伝統芸能の方法論を取り入れつつ、子ども番組ならではの演出も最大限に活かした、ユニークな「言語バラエティ番組」です。また、方言を取り入れて、生きた日本語の「広がり」を子どもたちに感じてもらいたいと考えています。

KIDS WORLD : 番組紹介 : にほんごであそぼ

一度見てもらうとよく分かるが、日本語感覚を自然に身に付けるために非常によく練られていて、大人でも参考になる。これらのプログラムは、そのままこども英語教育の現場にも応用が効きそうだ。

先日見ていて特に感銘を受けたのが、あずましいという、ある地方の方言を紹介している部分。

山の中の温泉らしきものに、あずましいという言葉の一字ずつが、「あずましい~。」なんて言いながら、順番に浸かっていって、最後にみんな(あ、ず、ま、し、い)で一緒にもう一度「あずましい~。」って気持ち良さそうに言う、というもの。

これを見ると、あずましいという方言は、何か気持ちいいときに使うんだな、ということがよく分かる。そして特に素晴らしいと思ったのが、番組では『「あずましい」という方言は「気持ちいい」という意味です』といった説明が一切ないところ。そういう説明なしに、こういった感覚だけで意味を身に付けることができるように考えられている。こどもに英語を教える際にも、こういう方法が一番効果があり、この単語の意味は○○だよ、なんていうことを言うだけでは子どもに定着させることは難しい。

こんな風に、にほんごであそぼには、こども英語教育の観点からもヒントが盛りだくさん。これから欠かさず見たい番組のひとつだ。

ピタゴラスイッチといいにほんごであそぼといい、朝のNHK教育テレビは、こども教育のヒントやアイデアの宝庫だな、ということに今更ながら気付いた次第。

ちなみに、あずましいは北海道の方言らしい。

あずましい(落ち着く、居心地が良い、せいせいする、素晴らしい)空間的・身体的安堵感を意味する。否定形の「あずましくない」もよく使われる。

千葉ロッテの平下晃司の応援歌の「素晴らしい平下」というフレーズは、札幌ドームをはじめとする北海道内限定で「あずましい平下」となっている。

北海道方言 – Wikipedia

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