辞書というか言葉への熱い気持ちが熱い – 『舟を編む』

これまで読んだ小説のなかでベスト3に入っていてこれからもその位置は変わることはないだろうと思っている『風が強く吹いている』の著者三浦しをんによる、辞書編纂、そして言葉そのものへの情熱を綴った本作を先日読んだので、感想など。

舟を編む
» 舟を編む

まず、本作はとても読みやすいかな、と。章ごとに、時間や展開が変わるとともに、メインとなるキャラクターが変わるので、つながる物語の短編集を読んでいる、というイメージというか何というか。

そして、登場人物達の辞書編纂への熱い思い、言葉に対する深すぎるこだわりが読んでてぐっとくる。『風が強く吹いている』でもそうだったけど、登場人物の対象へのこだわりや熱い思いというのが全体的に漂っていて、そういうのが何とも個人的には読んでてたまらない、というか、泣ける。

辞書編纂そのものに関する読み物としては、もっと深い内容の作品もあるとは思うのだけど、ある一つのことを長い年月かけてやり遂げる、という一つの物語として楽しんだ。読んでいて、これは映画向きというか、映画になったら面白いだろうなあ、と思っていたのだけど、読み終わった後に調べてみたら、もう映画化が決まっていた。

» 映画『舟を編む』公式サイト | 2013年4月13日(土)より丸の内ピカデリーほか全国ロードショー

発表されているキャストを見て、なるほどなあ、と。個人的には原作のイメージにフィットしているのでは、と。というわけで、映画版も期待、です。

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