単焦点レンズの魅力

Nikon デジタル一眼レフカメラ D80 AF-S DX 18-135G レンズキット

Nikon D80を購入して、3ヶ月程経つ。購入後、二ヶ月くらいはNikon AF-S DX VR Zoom Nikkor ED18-200mm F3.5-5.6G(IF)を装着して撮影していた。18~200mmという普段の撮影には必要十分なズーム範囲と、高性能なレンズ内手ぶれ補正の組み合わせは、とても実用的かつ身軽(若干重たいが)で、久しく一眼レフカメラで写真を撮っていなかった僕に、写真を撮る喜びと楽しさを思い出されてくれた。特に、D80の重厚で乾いたシャッター音は、その音と感触だけで、写真の出来上がり云々以前の満足感をもたらしてくれている。

20070530-DSC_1401
Nikon D80, Nikon AF-S DX VR Zoom Nikkor ED18-200mm F3.5-5.6G(IF)
F3.5, 1/15s, ISO:560, Focal Length:18mm
ロンドン市街にて手持ち撮影

一眼レフで写真を撮る楽しさを思い出して、それが日常的になってくると、ズームレンズだけで写真を撮るのが物足りなくなってくる。昔、銀塩一眼レフで写真を撮っていた頃、仕事で撮るとき以外はほとんど常に単焦点レンズを装着して写真を撮るようになっていた。50mmでF1.2の明るい標準単焦点レンズを装着して、スナップを中心に、被写体に近づいて絞りを開け思いっきり背景をぼかしたマクロ的写真を撮ったり、絞ってカリッとした風景写真を撮ったり。自由に動ける環境では、標準レンズ一本でほとんどあらゆるタイプの写真を撮ることができることを体感しつつ、それによって、より写真を撮る楽しさに目覚めたように思う。また、標準レンズで写真を撮り続けることで、写真そのものの腕もかなり上達した。写真上達の一番の近道が、「標準単焦点レンズのみで撮り続けること」だと思うようになったのは、そういう経験を通してのことだ。

Nikon Ai AF Nikkor 35mm F2D

そんなわけで、Nikon AF-S DX VR Zoom Nikkor ED18-200mm F3.5-5.6G(IF)という素晴らしく出来のいいニッコールレンズを差し置いて、Nikon Ai AF Nikkor 35mm F2Dが僕の写真生活のメインレンズとなったのは、三週間ほど前のことだ。

35mmを選んだのは、銀塩一眼レフ換算で50mmに一番近いから。銀塩一眼レフ換算の50mmというのは一番人間の目線に近いというのも、魅力のひとつだと思っているので、迷わず35mmを購入。F2という絞り開放値も十分なスペック。画質は好みもあるかもしれないが、絞り開放で撮影しても自然なぼけ味がいい感じ。個人的には、少し絞ったほうが好みに合っているような気がする。

20070805-DSC_4498.jpg
Nikon D80, Nikon Ai AF Nikkor 35mm F2D
F2, 1/20s, ISO:100

やはり、単焦点標準レンズでの撮影はすこぶる楽しい。F値も明るいし、D80の自動ISO感度調整をONにしておけば、室内での手持ち撮影もサクサクと撮れる。ISO感度が上がることによる画像の荒れは防げないが、個人的には画像が荒れてでも、ストロボなしで撮った写真のほうが好みだ。

また、「0.25m」という最短撮影距離も実はとても気に入っている。これは、レンズ先端から被写体までの距離ではなく光センサー面から被写体までの距離なので、相当寄れる。「写真は引き算」というのが僕の基本スタンスなので、思いっきり被写体に寄ることが出来るこのレンズは、僕の撮影スタイルにはうってつけのレンズだ。

というわけで、しばらくNikon AF-S DX VR Zoom Nikkor ED18-200mm F3.5-5.6G(IF)の出番がなくなりそうだ。本当に良いレンズなので勿体ないが。素晴らしい手ぶれ補正機構のついたこのレンズをサブカメラとして使うのは、中村俊輔をスーパーサブとして常時ベンチに置いておくくらい悩ましく、そして贅沢だ。といっても、例えば幼稚園の運動会の撮影等、被写体に近寄れずズームレンズがどうしても必要な場合には、むしろこっちがメインになる。そういうシーンでの撮影もままあるので良しとしよう。あと、夜景を手持ち撮影したいときには、こっちのほうが適しているかもしれない。シャッタースピードを1/15に設定しても手ぶれ補正によって、3段ほど上のシャッタースピードで撮影しているようなものなので、実際手ぶれはほとんど防ぐことができる。↑に貼ったロンドン市街で撮影した写真もシャッタースピード1/15で手持ち撮影だが、ほとんどぶれていない。本当にいいレンズだ。

それでも、普段のメインはNikon Ai AF Nikkor 35mm F2D。やはり写真を撮る喜びや楽しみという点において、ズームレンズは単焦点レンズにかなわないものなのだ。単焦点レンズの魅力は尽きない。

20070805-DSC_4460.jpg
Nikon D80, Nikon Ai AF Nikkor 35mm F2D
F2.4, 1/30s, ISO:100

Leave a Reply

Your email address will not be published.

This site uses Akismet to reduce spam. Learn how your comment data is processed.