子ども英会話教師養成講座(4) ~ 絵カード / 第二言語としての英語

ハートステップカレッジで開催されている『子ども英会話教師養成講座』4日目。

今回のテーマは、以下の通り。

  • 絵カードによる教授法(概論)
  • 第二言語としての英語取得プロセス

絵カードによる教授法(概論)

こどもに英語を教える際に、カードを使うことはよくあるようです。一口にカードと言っても色々な種類があります。

  • 絵(動物、乗り物、等)
  • 数字
  • 時間
  • アルファベット
  • 単語(スペル学習)

といった感じで。

英語を始めたばかりのこどもにこういったカードを使って英語を教えていくメリットには以下のような点が考えられます。

  • 集中しやすい(情報が単純、一個だけ。絵本等だと情報が多すぎる)
  • ゲームをしながら覚えることができる

こういったカードは、たくさん市販されているし*1、もちろん自作でも構いません、と講師の先生。講師の先生が過去に実際に自作したカードを持ってきてくれていたのですが、超シンプルなものから凝ったものまで色々と自作されていて、参考になりました。どんなものでも、こどもが楽しめるものであれば、立派な教材となるんですね。逆に言うと、例えばどんなに素晴らしい教材を買ったとしても、こどもが楽しめないようであれば、あまり意味を持たなくなってきてしまいます。

つまり、カードそのものよりも、それを使っていかにこどもに楽しんで英語を覚えてもらうか、というのがキモになるわけです。

こどもを楽しませるために、特に意識しないといけないのが「こどもを飽きさせないこと」。例えば、「このカードなーんだ?」「じゃ、このカードは?」といったように、あまり変化をつけずに繰り返していても、こどもは飽きてしまいます。繰り返し発音してもらうにしても、そのカードを持たせるとか、立って言わせる、とか、そういう変化をつける必要があります。これは、絵カードに限らず、こどもに何かを教える際に、一番重要になってくることなのかもしれません。

「こどもを飽きさせないために、レッスンに常に変化をつける」

これ、大事です。

というわけで、来週は絵カードによる教授法(実践)です。他の受講生が生徒役になって、実際に5分ほど絵カードを用いてレッスンを実践します。使う絵カードは、市販でも自作でも、何でもあり。方法も何でもあり。初の実践レッスンになるので、今から緊張しちゃってます。考えなくては。

第二言語としての英語取得プロセス

第一言語(母国語)の発達段階はどういったものか、そして、それを第二言語習得にどのように活かすか?ということを学習。

非常に興味深く、なるほどと思える内容でした。ここではその内容についての詳細は省きます。興味のある方は調べてみると面白いと思います。

個人的に特に「なるほど」と思ったのが、こどもが何か言ったこと、やったことに対してのフィードバックが大切、というところ。こどもが言語を習得するプロセスに置いて一番影響を受けているのが、Caretaker(主に母親)からのフィードバックで、例えば、こどもが何か一言言葉を発したとして、それに対して母親が正しいセンテンスでフィードバックする。その繰り返しでこどもは言語を習得していくのです。

例えば、こどもが「ミルク」と言ったとして、その状況から「あ、ミルクが飲みたいのね」という場合もあれば、「そう、それがミルクだよ」という場合もあり、そういう母親からの状況に応じてのフィードバックがこどもの中に蓄積されていく、というわけです。

ひとつ、興味深いケースを講師の方がおっしゃっていたので紹介します。

ある家族で、両親ともに耳が不自由であったため、その両親はこどもの言語習得のために、常にTVをつけっぱなしにしていたようです。これによって、そのこどもの言語能力はどうなったか?という話。

このこどもは、言葉を話すことができないまま育った、といいます。それはやはり、適切なフィードバックがなかったためです。TV等からは確かに多くの言語情報が入ってきますが、こどもは自分のアクションに対して適切なフィードバックがないと、言語習得することができない、ということです。

大人になってからの英語学習には、多聴といったような聞く一方の方法論もありますが、これもこどもの場合と同様、ひたすら聞いていても聞くことはできるようになるかもしれませんが、スピーキングの能力はつきません。少なくとも僕の場合はそうでした。やはり聞きながら、自分でもとにかく話して、実際に英語を話す人とコミュニケーションを取り、そのフィードバックから多くを学んできたんだな、と思っています。

というわけで、こどもに英語を教える際は、このフィードバックを強く意識する必要があります。こどもが「ミルク」と言ったのに、それに対して、ただ「ミルク」とリピートしているだけでは、こどもの言語習得の助けになりません。こどもが言ってきたことに対して、少し上のレベルの言葉を正確に返すこと。こどもがそれを理解しているかどうかに関わらず、とにかくフィードバックをたくさんすることが重要です。

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