2/16(日)10時少し過ぎに会場(パシフィコ横浜)に着いたのだけど、入場受付で既に長蛇の列。15分ほど並んで入場したあと、脇目もふらずシグマのブースへ。ここでも、Quattro実機体験でなかなかの行列が出来ていた。
その行列の途中で、ショーケースのなかにDPシリーズ、DP Merrillシリーズ、そしてdp Quattroシリーズが展示されていて、その写真を撮ったり、Quattroをじっくーり眺めたり。Quattro、サイズ等のスペックはSIGMAのサイトを見ていて既に分かっていたとはいえ、こうして実物を見てみると、結構でかい。
SIGMA DP2 Merrill, F2.8, 1/200s, ISO:160
SIGMA DP2 Merrill, F2.8, 1/400s, ISO:160
SIGMA DP2 Merrill, F2.8, 1/160s, ISO:160
特に中望遠レンズを搭載したdp3 Quattroのボリューム感がなかなかのもの。レンズフードをつけるとさらにすごい。
これはインパクトあるなあ。
で、45分ほど待っていよいよQuattroを握れるときが。
SIGMA DP2 Merrill, F2.8, 1/30s, ISO:100
なぜか「よろしくお願いします」みたいなことを心の中でつぶやきつつ、dp2 Quattroを握る。右手でこの独特な後ろに出っ張ったグリップを握って持ち上げてみると、結構ずっしりとくる。これは確かに片手で持って撮るのには向いてないな、と思いつつ、左手をレンズの下から添えて、両手でしっかりとグリップしてみる。おお、しっくりくるぞ。これまでにないデザインだし、色々とネットでの感想は見ていつつも、自分で握って持ってみないことには何ともいえない、と思っていたわけだけど、個人的にはこのデザインは「しっかりと写真を撮るためのカメラの持ち方」としてすごくしっくりとくる。現在愛用しているDP2/DP3 Merrillでも片手で撮ることはほとんどなくて両手でしっかりとホールドしてはいるので、両手で持って撮る、というところは同じだけど、そのホールド感は全く違う。Quattroのホールド感は一眼レフカメラのそれに近いけど、ファインダーがなく背面液晶を見ながら撮影する、というスタイルではこの後ろに出っ張ったグリップというのが絶妙すぎる。
こうやって実際に握ってみて、シグマのホームページの以下の内容にものすごく納得するわけで。
“Monolithic” body
あらゆる要素を画質に集約、最適化 「作品撮り」のためのストレート・カメラ
最高性能のセンサーとレンズの組み合わせによって最適化設計された、単焦点レンズ一体型カメラボディだけが可能にする「フルボディ画質」。
形状、重量、レイアウトなど、すべての要素を「画質」の一点に集約するとともに、安定したホールディング性と直感的な操作性を磨き込みました。 これにより画質のポテンシャルを最大限に発揮させ、撮影に集中できる「写真としっかり向き合える」仕様として完成させています。
ありふれた日常のなかに感動を見出し、撮影のたのしさと表現のよろこびを実感することができること。シグマの写真哲学をそのまま具現化した、どこまでもストレートなデジタルカメラです。
dp2 Quattroをホールドした状態の写真とかも撮るつもりだったのだけど、とにかく握り倒すことと、設定等を色々といじり倒すことに集中してしまい、そろそろ行こうかな、というときにそういう写真をほとんど撮ってないことに気づき、ちゃちゃっと本体の写真を何枚か撮っただけになってしまった。
そのなかで上から撮ってみたのがこちら。
SIGMA DP2 Merrill, F2.8, 1/80s, ISO:100
バッテリーも収納される右手グリップ以外の部分は、しゅっとストレートで思っていたよりも薄い。確かに横長だけど、ホールドしたときの右手と左手の位置が絶妙で、かつDP Merrillシリーズよりも高感度での画質が良くなっている、という話もあるので、このホールドしやすさと相まって、DP Merrillシリーズでは撮るのが難しかったような暗い場面もかなり撮れるんだろうな、と。
ここまで、この独特のデザインとホールド感についてばかり書いたけど、それ以外で「いいね!」と思ったのが以下。
電子水準器がついた(水平、垂直、両方合わせることが可能。)
これは嬉しい。DP Merrillシリーズで特に欲しかったのが、これだった。水準器をホットシューに外付けしたりもしていたけど、やっぱり本体内で水平を取れるのがベスト。
右手グリップ上のダイヤルの機能入れ替えができる
前ダイヤルと後ダイヤルの機能を入れ替えることができる。これはあくまで入れ替えなので、他の機能を割り当てることは(現時点では)できない模様。
撮影モード毎に割り当てられている機能は以下。
撮影モード | 前ダイヤル | 後ダイヤル | |
---|---|---|---|
M | 絞り | ◀︎▶︎ | シャッタースピード |
S | シャッタースピード | ◀︎▶︎ | 露出補正 |
A | 絞り | ◀︎▶︎ | 露出補正 |
P | プログラムシフト | ◀︎▶︎ | 露出補正 |
それぞれの撮影モードで前ダイヤル、後ダイヤルに割り当てられた機能を入れ替えることができる。個人的にはISO感度変更も割り当てられるといいなあ、と思ったりもしたのだけど、もしそれができたとしても露出補正とどちらを設定するか悩んでしまいそうだし、頻度的には露出補正のほうをよく使うので、これでいいんだな、と納得。
その他
・Quick Setting(QS)機能が少し変わった。
DP Merrillでは『(1)[QS]ボタン押下 → (2)上下左右ボタンに割り当てている設定変更したい機能を選択 → (3)ダイヤルで設定変更』という動作が、Quattroでは、『(1)[QS]ボタン押下 → (2)設定変更したい機能を選択 → (3)ダイヤルで設定変更』という動作に。変わったのは動作(2)の部分のみだけど、Merrillでは上下左右ボタンにそれぞれ機能を割り当てることができたので、ワンプッシュで設定変更したい機能を選べたのに対して、Quattroでは設定変更したい機能を選択するのに十字ボタンを(最初のカーソル位置以外は)何度か押す必要がある。微妙な違いだけど、これはしばらく使ってみないと使い勝手が良くなったのかどうかは評価が難しいかな、と。
・動画撮影機能がなくなった。
これは思い切ったなあ、と思ったけど、多分これまでのDPユーザーのほとんどが「あ、そ。」くらいな反応じゃないかなと想像する。DP Merrillには一応動画機能がついていたけど、個人的にはほとんど使ったことがない。恐らくそういうユーザーはたくさんいるだろうし、dpシリーズの目指すところとして動画には重きをおいていない、ということかな、と。
SIGMA DP2 Merrill, F2.8, 1/15s, ISO:100, -2.0EV
というわけで
dp Quattorシリーズについては、他にも色々と書きたいことが頭の中でぐるぐるしてはいるのだけど、取り急ぎ触ってきた感想としてはこんなところで。
やっぱり、何をおいても、この独特なデザインが強烈で、かつホールドしてみてもしっくりくるので、とにかく早くこのカメラで写真を撮ってみたい。
Foveonセンサーの画質やその空気感はDP2/DP3 Merrillを使ってきているので、よく分かっているし、ものすごく好きなわけで、それが今回搭載されている「Foveon X3 Sensor Quattro」ではさらに良くなっていて、高感度も改善されている、かつRAWファイルサイズは縮小されて処理も高速化している、ということで、もうdp Quattroを買わない理由はない。ないのだけど、今の悩みは、多分夏頃に発売されるdp2(標準)を買ってしまうか、恐らく早くても年末頃の発売となるであろうdp1(広角)を待つか…、というのがすごく悩ましい。既にMerrillシリーズでDP2(標準)とDP3(中望遠)を持っているので、dp1(広角)が欲しいところなんだけど、夏頃に発売されるであろうdp2が発売されたあとさらに数ヶ月も我慢できるかなあ、と。んん、悩ましいところだ。
SIGMA DP2 Merrill, F5.6, 1/800s, ISO:100, +0.3EV
シグマ山木社長のプレゼンが熱い
Macお宝鑑定団のこちらのエントリーで掲載されている、シグマ山木社長のCP+での「Quattroセンサーについて」の講演が熱い。今回のQuattroに対する思いが熱いのはもちろん、Foveonセンサー自体やそのセンサーで映し出される突き抜けた解像度に対する強いこだわり、「Foveon X3 Sensor Quattro」の技術的説明等々、見応えのある講演なので、少しでもdp Quattroが気になるなら、ぜひ見てみてください。
» CP+2014:シグマ、山木和人社長が語る「Quattroセンサーについて」ステージ講演(変態とキレッキレ) | レポート | Macお宝鑑定団 blog(羅針盤)
» CP+2014:シグマ、山木和人社長「Quattroセンサーについて」ステージ – YouTube
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