すっきりしない読了感 – 「扉は閉ざされたまま」

扉は閉ざされたまま (ノン・ノベル)

昼休みに会社近くのブックファーストで購入し、その日のうちに読了。

「倒叙物」*1であるこのミステリーには、探偵や刑事は登場しない。主人公(犯人)の大学時代のサークル仲間の妹で頭脳明晰な碓氷優佳が探偵役になる。碓氷優佳は密室のトリックだけではなく、なぜ密室にする必要があったのか、そしてこのミステリーでキーとなる殺人の動機は何なのか、まで見抜いていく。「倒叙物」のミステリーとして、非常にスリリング。犯人の視点で物語が書かれているので、緊張感・臨場感がすごい。

が、個人的には、すっきりしない読了感。いくら頭脳明晰といってもそこまで全部分かっちゃうのか、とか、動機が何だかな、とか、結局犯人は捕まらないってこと?それはどうなの?、とか、そんな感じのもやもやが残る。

まあ、「倒叙物」ミステリーとして面白いから御の字か。

*1:ドラマ「古畑任三郎」のように、読者は最初から犯人が分かっていて、それを探偵あるいは刑事役が暴いていく、というもの。

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