夢をかなえるゾウ

夢をかなえるゾウ

これは・・・、いい。これまで読んだ自己啓発・成功法則本のなかでも最強の部類に入るほど、いい。

カフェで一気読みしたのだが、途中何度かツボにはまり、笑いをこらえるのに必死だった。その上、ラストではグッと来るものがあり、涙をこらえるのに必死になってしまった。困った。家でじっくりと読むんだった。まあ、これから何度も読む本になるとは思うけど。

自己啓発や成功法則系の本は、読んだ瞬間は気持ちが盛り上がり、やる気が起こるものだが、長続きしないことが多い。読んで満足ってパターン。これ、本当に多い。読後あれだけ盛り上がったのに、内容覚えてないとか。ありがち。よくある。

本書では、「ガネーシャ」という像の形をした関西弁で禁煙できないメタボでぐうたらなインドの神様(どんな神様だ・・・)が、成功を願う普通のサラリーマンにあれやこれやと課題を出していく。著者の水野氏としてはガネーシャの出す課題を読者にも実践してほしいと願っているとは思うが、この二人の掛け合いが絶妙すぎて、実践せずに一気読みしてしまった。それは正に息をつかせぬ(ポストイットを貼る手間を惜しむほどの)一気読みだったのだが、笑いと涙という感動で、本書に書かれている内容が、しっくりとしっかりと自分の中に残っている。これはすごい。

そして、ガネーシャの出す課題も決してハードルの高い課題ではなく、むしろ今すぐにやれるものばかり。しかもどれも目新しいものではない。それは、ガネーシャ自身も言っている。

「ワシが教えてきたこと、実は、自分の本棚に入ってる本に書いてあることなんや。ワシの教えてきたことには何の目新しさもないんやで」(P.246)

そう、ガネーシャの言っていることは、僕がこれまでに読んだ本にも書いてある。ガネーシャと主人公である「僕」の絶妙なやり取り(漫才)に引き込まれて一気に読んできたが、このガネーシャの言葉で、我に返る。自己啓発や成功法則の本を読んで、興奮して、これで自分は変われると自信を持つ、そして忘れる、という、これまでに何度も繰り返してきたパターンに陥っている自分に気づくのだ。そして、自己啓発や成功法則の本を読んで自信をもつのは何故か?という「僕」の問いに対するガネーシャの答えがガツンと響く。本書の真骨頂は、ここから一気に加速していく。

その真骨頂さえも、全く目新しいことを言っているわけではないのが、本書のまたすごいところ。それでも何故こんなにも、行動を起こさずにいられないのだろうか。それはきっとガネーシャだから、としか説明のしようがない。

迷わず読めよ、読めば分かるさ。

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