先月行ったマルタ出張の行きの飛行機で読みきった本著。文庫版を成田空港で購入して、10日間の出張中にちょっとずつ読もうかなと思っていたのだが、行きの飛行機で読み始めて、そのままノンストップで一気に読み切ってしまった。おかげで行きの飛行機は退屈しなかった*1。
一気に読みきったというくらいなので、面白かったは面白かったのだけど、何となく物足りなかった。いや、本当面白いんだけど、個人的には何かが足りなかった、かなあ。んん、それが何かは分からないんだけど。何だろうな、リアリティというか何というか。特に終盤。犯人を追い詰めるきっかけとなった「犯人の手紙」辺りのくだりとか、犯人を特定する場面とか。まあ、感じ方は人それぞれだとは思うので、何とも言えないけども。僕はそう感じた。
けど、一気に読ませる文のテンポや物語の展開は、ものすごく楽しめた。映画版(参照)も観てみたい。
文庫版
僕が購入した文庫版の表紙は映画版で主役を演じる豊川悦司。読んでいて豊川悦司の顔が浮かぶわ、主人公の台詞は全て彼の声に変換されてしまうわで、何だかちょっとなという感じだった。映画化されたあとなので、こういう表紙になるのは分かるんだけど、小説内のキャラクター像が読む前から出来上がってしまうというのが個人的にあまり好きではないなあ。そういう先入観のようなものなしで読み進めていくうちに、段々とキャラクター像が自分の中で作られていく、というほうが断然面白い。
*1:というのはちょっと大げさか。何せ、フランクフルト経由で乗り継ぎ含めて計20時間近い移動だったのだから。