深く深く考えながら読む。自分ならどうするか、と。 – 『ぼくのメジャースプーン』

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何かゆっくりと入り込める本は小説はないかな、と書店をぶらぶらしているときに、そのタイトルが印象的で即買いした本書。

» ぼくのメジャースプーン (講談社ノベルス)

たしかに入り込みたいと思って買ったわけだし、実際入り込んだわけだけど、これだけ深く、深く考えさせながらの読書になるとは思ってなかった。特に中盤以降は、「ぼく」と「先生」のやり取りを読みながら、「自分ならどうするか」と考え続けながら読んだ。

本書のあらすじは、以下のAmazonページからの引用を参考にしてもらうとして。

「ぼく」は小学四年生。不思議な力を持っている。忌まわしいあの事件が起きたのは、今から三ヵ月前。「ぼく」の小学校で飼っていたうさぎが、何者かによって殺された……。大好きだったうさぎたちの無残な死体を目撃してしまった「ぼく」の幼なじみ・ふみちゃんは、ショックのあまりに全ての感情を封じ込めたまま、今もなお登校拒否を続けている。笑わないあの子を助け出したい「ぼく」は、自分と同じ力を持つ「先生」のもとへと通い、うさぎ殺しの犯人に与える罰の重さを計り始める。「ぼく」が最後に選んだ答え、そして正義の行方とは!?

Amazon.co.jp: ぼくのメジャースプーン (講談社ノベルス): 辻村 深月: 本

『「ぼく」が最後に選んだ答え』。これが本書のキモとなるのだけど、そこにたどり着くまでの「ぼく」の思考の過程、「先生」や「ふみちゃん」と「ぼく」の関係、「ぼく」の「ふみちゃん」に対する想い、等々が読み応えあって、かつ「自分ならどういう答えを出すか」ということを考えざるを得ないテーマで、じっくり考えながら読んだので、読了するのにえらい時間がかかってしまった。

で、「自分ならどういう答えを出すか」というと、個人的には「先生」の考え方に近い、ような気がする。

今のところ、僕の2012年小説ランキング1位となった本書。じっくりと自分の考えとか思考とかと向き合いながら読書したいという人には、お勧め。「読書の秋」には最適、かもです。

ぼくのメジャースプーン (講談社ノベルス)
» ぼくのメジャースプーン (講談社ノベルス)

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