子ども英会話教師養成講座(11) ~ 絵本による教授法(概論) / 発達年齢と教材の選び方

ハートステップカレッジで開催されている『子ども英会話教師養成講座』を受講しています。

ベーシックコースは去年一杯で修了したので、今年からはインストラクター資格取得コースにステップアップ。春頃にこども英語先生の資格を取るべく、がんばっていく次第。

2007年一回目の講座テーマは以下の通り。

  • 絵本による教授法(概論)
  • 発達年齢と教材の選び方

絵本による教授法(概論)

日本語でもそうですが、絵本を使って子供とコミュニケーションを取りながら言葉に慣れていく、というのは、言語教育において非常に有効な手段のひとつと考えられます。手段というと少しアレですが、言語を学びながら物語を楽しみ、物語によっては教養も身につく、という、ある意味「絵本」は万能ツールと言っても言いすぎじゃないのでは、と個人的には。

とはいえ、言語教育の教材として使う絵本は、その選び方や読み方に多くのコツと工夫が必要になるようです。今日の講座では、その辺りの勘所を講師の先生の経験談を踏まえながら、色々と学ぶことができました。

あまりここでは詳しく書きませんが、どれもナルホドと思うものばかり。いつもながら、実際にこどもに英語を教えている講師の方のアドバイスは時に生々しいもの(?)もあったりして、とても参考になります。

来週は今日の講座内容を踏まえて、絵本を使っての超ミニレッスン実践(ロールプレイ)。いつもながら、この実践は緊張するのだけど、その分学ぶことも多い。手を抜かずに準備しようと思います。

ちなみに僕が今度のロールプレイングで使おうと思っている絵本はこれ。

きんぎょがにげた・英語版―WHERE’S THE FISH? (こどものともファースト・イングリッシュ・ブック)

本作家である五味太郎氏*1の『きんぎょが にげた (福音館の幼児絵本)』という作品の英語版。

発達年齢と教材の選び方

題目にある発達年齢と教材の関係よりも、言語の発達という部分により焦点が当たっていた今回のクラス。興味深い話題満載でした。

なかでも、言語習得の臨界期や母語の完成期、等々。このあたりは、今後こども英語教育という仕事をしていくなかで、非常に重要な知識になりそうです。

今回のクラスで印象的だったのが、ESLとEFL、という考え方。

  • ESL: English as Second Language (第二言語としての英語)
  • EFL: English as Foreign Languate (外国語としての英語)

ESLは日本から海外に移り住んだ子供が習得していく英語で、英語によるインタラクティブなコミュニケーションを日常生活のなかで繰り返すことによって英語を習得していく、というもの。

対してEFLは、日本や英語圏ではない国に住む子供が、外国語として専門の先生等によって環境を提供されて習得していく英語。

そして僕達が教えていくのは、EFL、になります。ESLとEFLの一番の違いは、環境と言えます。英語に触れる機会・環境が圧倒的に違うわけです。日本で子供に英語を教えるとなると、年間40時間くらいのレッスンが出来て御の字では、と講師の先生が言っていましたが、概ねそのくらいでしょう。

40時間というととても少ないように思いますが、臨界期に達する以前の子供にとっては、その40時間は後々非常に大きな影響を持ってきます。先生曰く、「こども英語先生の仕事は、”英語”という種を植える仕事。その種は後々大きな花を咲かす可能性がある」。この言葉には、個人的にとても共感します。

母国語もままならないのに子供に英語を教えるのはどうなのか、といった議論が最近目立ちますが、個人的には、母国語をしっかりと使えるようになる、という考え方には当然賛成ですし、かと言って英語を全く勉強しなくていいか、といったらそうでもないと考えています。

現在受講している本講座では、子供の言語習得能力には脅威的なものがあるということを学んでいますが、我々大人の常識で一概に子供に英語を教えるのはいかん、と言い切れないと思っています。僕自身、このあたりについてはもっと勉強が必要ですが、つまりは、やり方なのだと思っています。また僕自身は、こどもの段階で英語をカンペキに話せるようになれるわけがないし、なれるようになる必要もない、と考えています。むしろ大切なのは、ゲーム等を駆使したレッスンを通して、子供が英語に対して壁を感じないようにすること、英語を楽しいと感じるようになること、だと考えています。まさに「後に大きく花咲く可能性のある”英語”という種を植えること」。これに尽きると思います。

興味深いデータとして、言語習得の臨界期(12歳頃)に達する以前に英語教室の通ったことのある子供のうち、実に7割の子供が英文科に進んだり、英語を使う仕事に就いてるといいます*2。これは、正に子供の頃に蒔かれた種が花開くということを証明する一例なのではと思います。

以上から、子供の可能性を広げる、あるいは、選択肢を増やす、という一点において、こども英語教育というのは意味のあるものと考えます。

とはいえ、母国語の徹底は当然のことで、幼年期の母国語習得においては親(特に母親)の力が多大な影響を及ぼすので、そこは親が責任を持つべきといえます。そして、外国語としての英語習得においては、その道のプロに任すことが大切なんだなと感じています。また、任す、といっても「話せるようになるまで任す」というのではなく、あくまで「種を植える」「可能性や選択肢を増やす」ということを親としても重要視すべきなのです。

と、今日のクラスのログから大分脱線しましたが、とにかく言語発達、興味深いです。もっと深く勉強していこうと思います。

*1五味太郎 – Wikipedia

*2:講師の先生談。

Leave a Reply

Your email address will not be published.

This site uses Akismet to reduce spam. Learn how your comment data is processed.