千円札は拾うな。

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「常識とは、十八歳までに身につけた偏見のコレクションのことをいう」 -アインシュタイン

アインシュタインの有名な言葉の引用から始まる本著では、身に付けてきた常識がいかに現代社会で通用しないものとなっているか、そしてどのように考え行動していくべきなのか、が書かれている。ここでいう常識は、アインシュタインの云う「十八歳までに身につけた偏見のコレクション」に加えて、社会人になって身に付けた常識をも指している。

本著で書かれているどの項目も物事の本質や根本をついていて、これまでの常識がいかに偏見や思い込みに満ちていたか、思い知らされる。そのなかでも今回読んでいてグッときたものを一つだけ紹介。

残業をやめれば給料は増える (P.23)

足りない時間を時間で補わず、むしろ時間は減らして何か別の劇的な方法を考えよう、そのために「残業をやめ、週休三日にしちゃいましょう」と著者の安田氏は提案している。そうやって何かを劇的に変えるために頭を使って考えることが成長につながり、最終的には給料がアップする、という考え方。残業や休日出勤が当たり前になっている会社で働く人には耳が痛い内容では。

かくいう僕も「足りない時間を時間で補う」ことばかり考えてしまいがち。仕事が詰まってくると残業や休日出勤というオプションが自然と浮かんできてしまう。これでは、全く頭を使われず生産性も高まっていかない。仕事力が衰えている気がする。なので週休三日とまではいかないが、「残業は絶対しない」ぐらいのルールは自分に課して実践していくことにする。

仕事時間を減らすという考え方と行動の変化は、自分の中の生産性=仕事力を高めることにもなるが、これを実践するためにはもう一つ「人間関係」「評価」という自分ではコントロールしきれない部分への挑戦にもなる。「遅くまで残業している彼はスゴイなエライな」、という感覚が日本の会社から抜けきるにはもう少し時間がかかりそう。なので、いつも残業しないで帰るというのは最初は理解を得るのが大変かもしれない。その理解を得るには、著者の言う通り「常に考えて状況を改善して大きな成果を出すこと」以外に方法はない。

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